このドキュメントは、インテル® C++ コンパイラー 10.1 Windows 版のインストール方法および設定方法について説明します。インストールはいくつかの段階に分かれています。インストールを開始する前に、このドキュメントの説明を読んで指示に従ってください。新機能および変更された機能を含む、製品の内容に関する情報は、「リリースノート」を参照してください。
以前のバージョンの (番号の小さい) インテル® C++ コンパイラー Windows 版を使用している場合は、このバージョンをインストールする前にアンインストールする必要はありません。しかし、以前のバージョンをアンインストールする場合、このバージョンをインストールする前でもインストールした後でもアンインストールできます。また、インテル® C++ コンパイラー 10.1 がインストールされている場合も、このバージョンをインストールする前にアンインストールする必要はありません。インテル® ソフトウェア・セットアップ・アシスタントで [Modify (変更)] を選択して、必要なコンポーネントをアップグレードできます。
インテル® コンパイラーは、一般的なプロセッサー・アーキテクチャーとオペレーティング・システムを組み合わせた、3 つのプラットフォームをサポートしています。このセクションでは、本ドキュメント、インストール手順、およびサポートサイトでプラットフォームの記述に使用されている用語について説明します。
「ネイティブ」とは、アプリケーションを実行するプラットフォームと同じプラットフォームでアプリケーションをビルドする (例えば、IA-32 システムで実行するアプリケーションを IA-32 システムでビルドする) ことを指します。「クロスプラットフォーム」または「クロスコンパイル」とは、アプリケーションを実行するプラットフォームとは異なる種類のプラットフォームでアプリケーションをビルドする (例えば、インテル® 64 対応システムで実行するアプリケーションを IA-32 システムでビルドする) ことを指します。すべての組み合わせのクロスプラットフォーム開発がサポートされているわけではありません。また、組み合わせによっては、オプションのツールとライブラリーをインストールする必要があります。
サポートされているホスト (アプリケーションをビルドするシステム) とターゲット (アプリケーションを実行するシステム) の組み合わせを次に示します。
ホスト\ターゲット | IA-32 | インテル® 64 | IA-64 |
---|---|---|---|
IA-32 | ○ |
○ |
○ |
インテル® 64 | ○ |
○ |
○ |
IA-64 | × |
× |
○ |
注: 上の表は、コマンドライン・ビルド環境の組み合わせを示しています。組み合わせによっては、一部の Microsoft ビジュアル開発環境では利用できません。
注:
アプリケーションで使用している機械語命令が特定のオペレーティング・システムやプロセッサーでサポートされているかどうかは、アプリケーション開発者自身の責任で確認してください。
Windows Vista では、Visual Studio 2005 のみサポートされています。それ以前のバージョンの Visual Studio はサポートされていません。Visual Studio 2005 を使用する場合は、Windows Vista にインテル® コンパイラーをインストールする前に、Visual Studio 2005 Service Pack 1 (VS 2005 SP1) と Visual Studio 2005 Service Pack 1 Update for Windows Vista (VS 2005 SP1 からリンクされています) をインストールしてください。これらのアップデートをインストールした後に、管理者権限で Visual Studio が実行できることを確認してください。実行できない場合、インテル® コンパイラーを使用できません。Visual Studio のアップデートをインストールする前に、インテル® コンパイラーの統合をアンインストールしてください。詳細は、Microsoft の Visual Studio on Windows Vista (英語) および関連ドキュメントを参照してください。
インテル® C++ コンパイラー Windows 版の次のメジャーリリースでは、Microsoft Visual C++ 6.0 および Microsoft Visual Studio 98 はサポートされなくなります。将来のインテル® コンパイラーとの互換性のために、Microsoft Visual Studio 2005 に移行してください。
コンパイラーとツールをインストールする前に、新しいバージョンやアップデートがないか、インテル® ソフトウェア開発製品レジストレーション・センターの [製品のダウンロード] セクションを確認してください。CD またはダウンロード・ライセンスに含まれているバージョンよりも新しいバージョンが存在する場合があります。インテル® プレミアサポートからコンパイラーをダウンロードするには、「テクニカルサポート」で説明されているように最初に製品を登録する必要があります。
インテル® ソフトウェア開発製品レジストレーション・センターでは、目的に応じていくつかのコンパイラー・パッケージを用意しています。各パッケージのファイル名と説明は以下のとおりです。
"x" および "xxx" は変更されます。
製品 CD には、3 つのプラットフォーム用の開発ツールが含まれています。
インテル® C++ コンパイラー・プロフェッショナル・エディションのライセンスをお持ちの場合、インテル® インテグレーテッド・パフォーマンス・プリミティブ、インテル® マス・カーネル・ライブラリー、およびインテル® スレッディング・ビルディング・ブロックのダウンロードとインストールが別途必要です。詳細は、各コンポーネントのインストール・ガイドおよびリリースノートを参照してください。
インストールまたは登録で問題が発生した場合は、https://registrationcenter.intel.com/support からお問い合わせください。
インテル® C++ コンパイラーをインストールするには、Administrators
グループに所属するメンバーのアカウントを使用する必要があります。しかし、少なくとも "Users"
または "Debugger Users"
グループに所属していれば、インテル® C++ コンパイラーを使用することができます。Windows Vista では、Visual Studio を管理者権限で実行する必要があります。これは Microsoft の制限です。
注: このドキュメントで <install-dir>
として表記されているデフォルトのインストール・ディレクトリーは、%ProgramFiles%\Intel
です。インテル® C++ コンパイラー 10.1 は、Compiler\C++\10.1.xxx
サブフォルダーにインストールされます。
コンパイラーをインストールする前に、Microsoft Visual Studio 開発環境または Microsoft Platform SDK (動作環境を参照) をインストールする必要があります。
注: インテル® C++ コンパイラー 10.1 をインストールした後でバージョン 8.1 または 9.x をアンインストールすると、Visual Studio 開発環境でコンパイラー選択ツールが利用できなくなります。この問題を解決するには、インテル® C++ コンパイラー 10.1 を再インストールしてください。
アンチウィルス・ソフトウェアやその他のシステム保護ソフトウェアをインストールしている場合、インテル® コンパイラーのインストールに影響がないことを確認してください。
推奨するインストールの順序は次のとおりです。
Microsoft Visual C++、Microsoft Visual C++ .NET、Microsoft Visual Studio または Microsoft Visual Studio .NET の対応しているバージョンをインストールします。
必要な場合は、Microsoft Platform SDK をインストールします (動作環境を参照)。
Microsoft Visual Studio の適切な Service Pack とアップデートを適用します。
インテル® C++ コンパイラー 10.1 をインストールします。
複数のバージョンのインテル® C++ コンパイラーをインストールすることができます。バージョン 10.0 以降は、複数のアップデート・バージョンを共存させることができます。バージョン 10.1 のアップデートをインストールする場合、10.1 の古いバージョンは自動的にアンインストールされません。Microsoft Visual Studio 2003 または Microsoft Visual Studio 2005 では、Microsoft Visual Studio から ([ツール] - [オプション] - [Intel® C++
(インテル® C++)] - [Compiler
(コンパイラー)] を選択して) 新しいバージョンを選択する必要があります。以前のバージョンをアンインストールする場合は、このバージョンをインストールする前 (推奨) でもインストールした後でもアンインストールできます。アップデートごとに、インストール・パスは異なります。
Setup.exe
ファイルをダブルクリックします。コンパイラーのダウンロード版を購入した場合は、ダウンロードしたファイル (w_cc_x_10.1.xxx.exe
) をダブルクリックします。フローティング・ライセンスご購入のお客様: シリアル番号でインストールいただくことはできませんのでご注意ください。インストール時には、インテル社より発行されたフローティング・ライセンス用のライセンスファイルが必要になります。インストール前に必ずシリアル番号を登録し、ライセンスファイルを入手いただき、インストールを進めてください。
インテル® ソフトウェア開発製品用のフローティング・ライセンスまたはノードロック式ライセンスを購入した場合、ローカル・ネットワークのシステムにインテル® FLEXlm ライセンス・マネージャーをインストールする必要があります。この製品には、インテル® FLEXlm ライセンス・マネージャー Windows 版が含まれています。また、その他のプラットフォーム用のインテル® FLEXlm ライセンス・マネージャーも提供されています。インテル® FLEXlm ライセンス・マネージャーは、各プラットフォーム上でインテル製品用のライセンスを制御します。
コンパイラーをインストールした後にインテル® FLEXlm ライセンス・マネージャーをインストールするには、[スタート] - [すべてのプログラム] - [Intel® Software Development Tools
(インテル® ソフトウェア開発ツール)] - [Intel® License Manager for FLEXlm
(インテル® FLEXlm ライセンス・マネージャー)] - [Install
(インストール)] を選択します。ライセンス・マネージャーのインストールと設定に関する詳細は、同じメニューにある [User's Guide (ユーザーズガイド)] を参照してください。ユーザーズガイドで説明されているように、他のプラットフォーム用のライセンス・マネージャーをダウンロードすることもできます。
Microsoft Visual C++ または Microsoft Visual Studio をインストールする際に、システムの環境変数を更新するオプションを選択すると、インストールしているユーザー名のユーザー変数も更新されます。インテル® C++ コンパイラーは、Microsoft の推奨に従って、システム変数のみを更新しています。このため、インテル® C++ コンパイラーをインストールしたユーザーが環境変数のショートカットを使用しないで (または iclvas.bat
を起動しないで)、コマンドプロンプトからアプリケーションをビルドすると、デフォルト・ライブラリー、インクルード・ファイル、およびモジュールは見つかりません。この問題を解決するには、ユーザー環境変数 INCLUDE
および LIB
を削除してください。この問題は、IDE からビルドする場合には発生しません。
システムに Microsoft Platform SDK のコピーが複数インストールされている場合、コンパイラーは Platform SDK のパスを確認することがあります。この場合、[Browse (参照)] ボタンを使用して適切な Platform SDK のパスを指定してください。
サポートしていないバージョンの Microsoft Platform SDK がインストールされている場合、コンパイラーは検出できません。選択したバージョンが動作環境と一致していることを確認してください。
フローティング・ライセンスとノードロック式ライセンス用にインテルのライセンスサーバーをインストールし設定している場合、ライセンスサービスの開始に失敗することがあります。この場合、ライセンスサービスを手動で開始する方法がメッセージボックスで表示されます。
ユーザーとの対話処理を行わずに製品をインストールすることができます。このインストール・モードは画面にインストール状況を表示するため、完全な「サイレント」モードではない点に注意してください。
「サイレント」モードでコンパイラーをインストールするには、管理者権限でコマンド・プロンプト・ウィンドウを開きます (またはバッチスクリプトを起動します)。製品をインストールしたフォルダーの instman
サブフォルダーに移動します。コンパイラーのダウンロード版を購入した場合は、最初のファイルをローカルのフォルダーに展開して、インストールを途中でキャンセルし、instman
フォルダーに移動します。
instman
フォルダーから次の 2 つのコマンドのいずれかを実行します。
setupcore.exe -l full-path-to-license-file
setupcore.exe -n SerialNumber
SerialNumber
は (ABCD-1234567
形式の) シリアル番号です。どちらのオプションも、利用可能な製品コンポーネントをすべてインストールします。他の柔軟なオプションを含む設定ファイルを使用することもできます。詳細は、インテル® プレミアサポートまでお問い合わせください。
インテル® C++ コンパイラーは、コマンドウィンドウから、または Microsoft Visual C++ / Visual Studio 環境から使用できます (Visual Studio との統合をインストールした場合)。
インテル® C++ コンパイラーをコマンドウィンドウから使用するには、[スタート] - [すべてのプログラム] - [Intel® Software Development Tools (インテル® ソフトウェア開発ツール)] - [Intel® C++ Compiler 10.1.xxx (インテル® C++ コンパイラー 10.1.xxx)] - [C++ Build Environment for applications running on IA-32 (IA-32 対応アプリケーション用インテル® C++ コンパイラーのビルド環境)] を選択してコマンドウィンドウを開きます。環境が自動的に設定されます。または、<install-dir>\Compiler\C++\10.1\xxxx\bin\iclvars.bat
を実行して標準のコマンドウィンドウを開くことができます。ここで、xxxx
はIA32
、EM64T
または Itanium
です。インテル® C++ コンパイラーを使用するための環境も正しく設定されます。同じコマンドウィンドウからインテル® Visual Fortran コンパイラーを使用する必要がある場合は、<install-dir>\Compiler\Fortran\10.1\xxxx\bin\ifortvars.bat
を実行します。
注: リンカーが正しい Fortran ランタイム・ライブラリーを取得するように、ifortvars.bat
は iclvars.bat
の後に実行してください。
Microsoft ビジュアル開発環境からインテル® C++ コンパイラーを使用するには、Microsoft 製品がインストールされているプログラムグループの項目 (例えば、[スタート] - [すべてのプログラム] - [Microsoft Visual Studio 2005] - [Microsoft Visual Studio 2005]) を使用します。
コンパイラーの実行に関して問題が発生した場合は、有効なライセンスファイル (*.lic) がライセンス・ディレクトリーに含まれていることを確認してください。デフォルトのライセンス・ディレクトリーは、%ProgramFiles%\Common Files\Intel\Licenses
です。コンパイラーは、環境変数 INTEL_LICENSE_FILE
を使用してライセンスファイルを検索します。有効なライセンスがあるのに問題が解決しない場合は、インテル® プレミアサポートまでご連絡ください。詳細は、「テクニカルサポート」を参照してください。
登録を行っていない場合は、この製品をインストールした後に登録を行ってください。登録方法については、「テクニカルサポート」を参照してください。
インテル® C++ コンパイラーのツールまたはコンポーネントをアンインストールするには、[コントロール パネル] から [プログラムの追加と削除] を選択します。すべてのツールとコンポーネントをインストールした場合、次に示す製品がインストールされます。
Intel® Debugger for applications running on
<アーキテクチャー名>, Version 10.1.xxx
(<アーキテクチャー名> 対応アプリケーション用インテル® デバッガー 10.1.xxx)
Intel® C++ Compiler for applications running on
<アーキテクチャー名>, Version 10.1.xxx
(<アーキテクチャー名> 対応アプリケーション用インテル® C++ コンパイラー 10.1.xxx)
Intel® C++ Compiler 10.1 Integrations into Microsoft Visual Studio
(インテル® C++ コンパイラー 10.1 の Microsoft Visual Studio への統合)
Intel® License Manager for FLEXlm
(インテル® FLEXlm ライセンス・マネージャー)
注: インテル® C++ コンパイラーをアンインストールしても、対応するライセンスファイルは削除されません。
インストール時にコンパイラーの登録を行わなかった場合は、インテル® ソフトウェア開発製品レジストレーション・センターで登録してください。登録を行うことで、サポートサービス期間 (通常は 1 年間) の間、すべてのアップデートと新しいバージョンの入手を含む、インテル® プレミアサポートのすべての機能にアクセスできます。
テクニカルサポート、製品のアップデート、ユーザーフォーラム、FAQ、ヒント、およびその他のサポート情報は、http://www.intel.com/software/products/support/cwin を参照してください。
注: 代理店がテクニカルサポートを提供している場合は、インテルではなく代理店にお問い合わせください。
本資料に掲載されている情報は、インテル製品の概要説明を目的としたものです。本資料は、明示されているか否かにかかわらず、また禁反言によるとよらずにかかわらず、いかなる知的財産権のライセンスを許諾するためのものではありません。製品に付属の売買契約書『Intel's Terms and Conditions of Sale』に規定されている場合を除き、インテルはいかなる責を負うものではなく、またインテル製品の販売や使用に関する明示または黙示の保証 (特定目的への適合性、商品性に関する保証、第三者の特許権、著作権、その他、知的所有権を侵害していないことへの保証を含む) にも一切応じないものとします。インテルによる書面での同意がない限り、インテル製品は、インテル製品の停止を起因とする人身傷害または死亡を想定して設計されていません。
インテル製品は、予告なく仕様や説明が変更される場合があります。機能または命令の一覧で「留保」または「未定義」と記されているものがありますが、その「機能が存在しない」あるいは「性質が留保付である」という状態を設計の前提にしないでください。これらの項目は、インテルが将来のために留保しているものです。インテルが将来これらの項目を定義したことにより、衝突が生じたり互換性が失われたりしても、インテルは一切責任を負いません。この情報は予告なく変更されることがあります。この情報だけに基づいて設計を最終的なものとしないでください。
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