自動並列化のプログラミング

自動並列化機能は、ワークシェアリング構造 (PARALLEL DO 宣言子) などの OpenMP* のいくつかのコンセプトを取り入れています。ここでは、自動並列化について説明します。

効率的な自動並列化の使用方法のガイドライン

ループは次の条件を満たす場合に並列化できます。

コンパイラーは、コンパイル時に定数ではないループ・パラメーターを持つ parallel for ループで、実行するメリットを検証するためにランタイムテストを生成します。

コーディング・ガイドライン

自動パラレライザーの機能性と効率性を強化するコーディング・ガイドラインを次に示します。

自動並列化のデータフロー

自動並列化の処理では、コンパイラーは次のステップを実行します。


  1. データフローの解析: プログラムを通してデータのフローを計算します。

  2. ループの分類: しきい値解析で示されるように、正確さと効率に基づいて並列化のループの候補を決定します。

  3. 依存性の解析: 各ループの入れ子で参照における依存性の解析を計算します。

  4. 高度な並列化: 依存性のグラフを解析し、並列で実行できるループを決定して、ランタイムの依存性を計算します。

  5. データのパーティショニング: SHAREDPRIVATE、および FIRSTPRIVATE のアクセスのタイプに基づいて、データ参照とパーティションを検査します。

  6. マルチスレッド・コードの生成: ループのパラメーターを修正し、スレッドタスクごとに入口/出口を生成して、スレッド生成と同期化の並列ランタイムルーチンへの呼び出しを生成します。

-parallel (Linux*) オプションまたは /Qparallel (Windows*) オプションを使用すると、インテル製マイクロプロセッサーおよび互換マイクロプロセッサーにおいて並列化が有効になります。実行ファイルでは、互換マイクロプロセッサーよりもインテル製マイクロプロセッサーにおいてより優れたパフォーマンスが得られる可能性があります。また、並列化は、/arch/Qx (Windows*) または -m-x (Linux* および Mac OS* X) などの特定のオプションによる影響を受けます。

OpenMP* を使用するオプションはインテル製マイクロプロセッサーおよび互換マイクロプロセッサーの両方で利用可能ですが、両者では結果が異なります。両者の結果が異なる可能性のある OpenMP* 構造および機能の主なリストは次のとおりです: ロック (内部的なものおよびユーザーが利用可能なもの)、SINGLE 構造、バリア (暗黙的および明示的)、並列ループ・スケジューリング、リダクション、メモリーの割り当て、スレッド・アフィニティー、バインド。


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