インテル® Fortran コンパイラーの起動

コンパイラーを起動させるコマンドは ifort です。

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Windows* および Mac OS* X システムでは、統合開発環境からコンパイラーを使用することもできます。

コマンドラインを使用する前に

Linux* および Mac OS* X システムでは、コマンドラインを使用する前に、環境変数を設定して、各種コンポーネントの場所を設定する必要があります。インテル® Fortran コンパイラーのインストールには、ターミナルウィンドウで環境変数の設定するためのシェルスクリプトが含まれています。詳細は、「compilervars ファイルを使用するコンポーネントの場所の指定」を参照してください。

Windows* システムでは、通常、コマンドラインを使用する前に、環境変数を設定する必要はありません。各種インテル® Fortran コンパイラーには、インテル® Fortran のプログラムフォルダーから利用可能な独自のコマンドライン・ウィンドウが用意されています。このウィンドウでは、コマンドライン環境で必要となる適切な環境変数がすでに設定されています。

コマンドファイルから ifort コマンドを使用する

コマンドラインまたは makefile で ifort コマンドを使用して、インテル® Fortran コンパイラーを実行します。構文は、次のとおりです。

ifort [options]input_file(s)

コンパイラー・オプションの一覧は、「コンパイラー・オプション」を参照してください。

プロジェクトは、ifort コマンドを使用して 1 回の命令でコンパイルとリンクを行うこともできますし、ifort でコンパイルした後にリンクすることもできます。

ほとんどの場合、1 回の ifort コマンドでコンパイラーとリンカーの両方を呼び出します。

ifort コマンドは、コンパイラーとリンカーのユーザー・インターフェイスであるドライバープログラムを呼び出します。このコマンドは、一連のコマンドオプションとファイル名を受け取り、各ファイルの処理を指示します。

ドライバープログラムは、次の処理を行います。

オブジェクト・モジュールのライブラリーをビルドする場合は、ld (Linux* および Mac OS* X) または link (Windows*) を使用することもできます。コマンドラインで、これらのコマンドと /? オプションまたは /help オプションを指定すると、その構文の使用方法が表示されます。

ifort コマンドは、リンカーを呼び出すときに、適切なインテル® Fortran ランタイム・ライブラリーを自動的に参照します。このため、インテル® Fortran コンパイラーによって作成された 1 つ以上のオブジェクト・ファイルをリンクするときには、link コマンドの代わりに ifort コマンドを使用してください。

ドライバーは、ほかのソフトウェア構成要素を呼び出すので、これらの構成要素からエラーメッセージが返されることがあります。例えば、リンカーは、グローバル参照を解決できなかったときに、メッセージを返すことがあります。-watch コマンドライン・オプション (Linux* および Mac OS* X) または /watch コマンドライン・オプション (Windows*) は、どのコンポーネントでエラーが発生しているのかを特定するのに役立ちます。

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Windows* システムでは、Unicode* (マルチバイト) 形式の文字をサポートしています。コンパイラーは、Unicode 文字を含むファイル名を処理します。

構文規則

次の規則は、コマンドラインで ifort を使用する際に適用されます。

ifort コマンドの例

次のコマンドは、x.for のコンパイルとリンクを行い、実行ファイルを作成します。このコマンドは、リンク後に削除される一時オブジェクト・ファイルを生成します。

ifort x.for

次のコマンドは、x.for をコンパイルし、オブジェクト・ファイル x.o (Linux* および Mac OS* X) または x.obj (Windows*) を作成します。c オプションはリンクを抑止します (オブジェクト・ファイルを実行ファイルにリンクしません)。

ifort -c x.for (Linux* および Mac OS* X)
ifort x.for /c (Windows* OS)

次のコマンドは、x.o または x.obj を実行ファイルにリンクします。このコマンドでは、自動的にデフォルトのインテル® Fortran ライブラリーをリンクします。

ifort x.o (Linux* および Mac OS* X)
ifort x.obj (Windows* OS)

次のコマンドは、a.forb.for、および c.for をコンパイルします。3 つの一時的なオブジェクト・ファイルを作成し、このオブジェクト・ファイルを a.out (Linux* および Mac OS* X) または a.exe (Windows*) という名前の実行ファイルにリンクします。

ifort a.for b.for c.for

モジュールを使用し、複数のファイルをコンパイルするときには、モジュールを定義しているソースファイルを、そのモジュールを (USE 文で) 参照しているファイルよりも前にコンパイルします。

単一の ifort コマンドを使用する場合、コマンドラインでのファイルの順序が重要になります。例えば、自由形式ソースファイル moddef.f90 が、projmain.f90 で参照されるモジュールを定義している場合、次のコマンドを使用します。

ifort moddef.f90 projmain.f90

実行ファイルのファイル名を指定するには、-o (Linux* および Mac OS* X) または /exe (Windows* OS) オプションを使用します。

ifort x.for -o myprog.out (Linux* および Mac OS* X)
ifort x.for /exe:myprog.exe (Windows* OS)

出力をファイルにリダイレクトしてからプログラムの出力結果を表示する場合、次のコマンドを使用します (Linux* および Mac OS* X)。

myprog > results.lis (Linux* および Mac OS* X)
more results.lis

標準出力を one.out に、標準エラー出力を two.out に格納する場合、次のコマンドを使用します (Windows* OS)。

ifort filenames /options 1>one.out 2>two.out (Windows* OS)

または

ifort filenames /options >one.out 2>two.out

標準出力と標準エラー出力を both.out という 1 つのファイルに格納する場合、次のコマンドを使用します (Windows* OS)。

ifort filenames /options 1>both.out 2>&1 (Windows* OS)

または

ifort filenames /options >both.out 2>&1

コマンドライン・ウィンドウを使用してコンパイラーを起動する他の方法

コマンドライン・ウィンドウを使用して、インテル® Fortran コンパイラーを起動する方法はいくつかあります。

コマンドラインから makefile を使用する

makefile を使用して、さまざまなパスを持つファイルを指定し、この情報を複数のコンパイルで使用できるように保存します。makefile の使用に関する詳細は、「Makefile を使用するアプリケーションのビルド」を参照してください。

コマンドラインから devenv コマンドを使用する (Windows* のみ)

コマンドラインから devenv を使用すると、統合開発環境 (IDE) に関するさまざまなオプションを設定したり、プロジェクトのビルド、消去、およびデバッグを行うことができます。devenv コマンドに関する詳細は、Microsoft* Visual Studio* のマニュアルから devenv の説明を参照してください。

コマンドラインから .bat ファイルを使用する

.bat ファイルを使用して、任意のオプションで常にコンパイラーを実行することができます。このファイルを使用することで、ファイルを再コンパイルするたびにコマンドを入力する必要がなくなります。


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