インテル® C++ コンパイラー XE 13.1 ユーザー・リファレンス・ガイド
このセクションでは、GCC* の C/C++ コンパイラーのアプリケーションをインテル® C/C++ コンパイラーに移植する際の基本的なアプローチを説明します。これらのコンパイラーは、それぞれ次のように対応しています。
GNU* gcc から Microsoft* Visual C++* へ移植する際に -diag-enable port-win オプションを使用して一般的な構文の問題に関する警告を表示する方法についての情報も含まれています。
アプリケーションの移植を簡単に説明するために、ここでは特に明記されている場合を除いて、"gcc" は GNU コンパイラー・コレクションの gcc コンパイラーと g++* コンパイラーの両方を指します。
多くの場合、gcc からインテル® コンパイラーへのアプリケーションの移植は、gcc を起動する代わりにインテル® コンパイラー (icc) を起動するだけです。インテル® コンパイラーを使用すると、特にインテル® プロセッサー上でアプリケーションのパフォーマンスが向上します。多くの場合、インテル® プロセッサー以外でも、アプリケーションのパフォーマンスが向上します。アプリケーションをインテル® コンパイラーでコンパイルする場合、次の機能を使用できます。
最新のインテル® プロセッサー向けにコードを最適化するコンパイラー・オプション
gprof と同様の高度なプロファイリング・ツール (PGO)
高レベルの最適化 (HLO)
プロシージャー間の最適化 (IPO)
コンパイラーが命令のインライン展開に使用するインテル® SSE、インテル® SSE2、インテル® SSE3、SSE3 補足命令、インテル® SSE4 を含む組込み関数
精度を向上する、高度に最適化されたインテルの算術ライブラリー
インテル® コンパイラーは、gcc との互換性と相互運用性があり、gcc アプリケーションのインテル® コンパイラーへの移植にはバイナリー互換の利点もあります。 そのため、gcc アプリケーションのライブラリーをリビルドしないでください。インテル® コンパイラーでは、gcc 製品で提供しているようなコンパイラー・オプション、マクロ、環境変数を多くサポートしています。
多くの gcc アプリケーションでは、インテル® コンパイラーへの移植に際して、gcc によるコンパイルと icc によるコンパイルの相違を考慮するために、makefile の変更のほかに、少々の手間がかかります。
あるコンパイラーから別のコンパイラーへアプリケーションを移植する場合の課題の 1 つは、アプリケーションのビルドに使用するコンパイラー・オプションがサポートされているかどうかを確認することです。インテル® C++ コンパイラーと gcc の両方のコンパイラーでサポートされているコンパイラー・オプションについては、「コンパイラー・オプション」に説明があります。
次のステップ
インテル® コンパイラーは、互換マイクロプロセッサー向けには、インテル製マイクロプロセッサー向けと同等レベルの最適化が行われない可能性があります。これには、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 2 (インテル® SSE2)、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 3 (インテル® SSE3)、ストリーミング SIMD 拡張命令 3 補足命令 (SSSE3) 命令セットに関連する最適化およびその他の最適化が含まれます。インテルでは、インテル製ではないマイクロプロセッサーに対して、最適化の提供、機能、効果を保証していません。本製品のマイクロプロセッサー固有の最適化は、インテル製マイクロプロセッサーでの使用を目的としています。インテル® マイクロアーキテクチャーに非固有の特定の最適化は、インテル製マイクロプロセッサー向けに予約されています。この注意事項の適用対象である特定の命令セットの詳細は、該当する製品のユーザー・リファレンス・ガイドを参照してください。 改訂 #20110804 |