インテル® C++ コンパイラー XE 13.1 ユーザー・リファレンス・ガイド

GAP メッセージ (診断 ID 30537)

メッセージ

ルーチン "%s" のすべてのポインター型の引数に "restrict" キーワードを追加します。これにより、行 %d のループに並列化/ベクトル化などの最適化が適用されます。

アドバイス

ファイル全体に適用される -fnoargument-alias (Linux* および OS X*) または /Qno-alias-args (Windows*) の代わりに、このルーチンへのポインター引数に restrict 修飾子を追加できます。この変更は、キーワードが適用されるルーチンにのみ影響するため、より局所的です。

restrict 修飾子は C 標準の C99 の機能です。この修飾子はデータポインターに適用され、ポインター宣言のスコープ内において、そのポインターによりアクセスされるすべてのデータはほかのポインターによってアクセスされないことを示します。restrict キーワードは、オブジェクトがほかのポインターによって変更されないという前提に基づいて、コンパイラーによる特定の最適化を有効にします。restrict 修飾子を持つポインターは意図したとおりに使用されることを確認しなければなりません。そうでない場合、未定義の動作を引き起こします。

C99 プログラム以外をコンパイルする場合、インテル® コンパイラーでは -restrict (Linux* および OS X*) または /Qrestrict (Windows*) も指定する必要があります。

次の例について考えてみます。

void matrix_mul_matrix(int  N, float * C,  float  *A,  float  *B) {
  int  i,j,k;
 
  for (i=0; i<N; i++) {
    for (j=0; j<N; j++) {
      C[i*N+j]=0;
      for(k=0;k<N;k++)
      {
        C[i*N+j]+=A[i*N+k] * B[k*N+j];
      }
    }
  }
}

この例では、デフォルトの O2 設定でコンパイラーがループ交換やベクトル化などのループの最適化を適用できません。

安全であることが分かっている場合は、次のようにプログラムコードを変更します。

void matrix_mul_matrix(int  N, float * restrict C,  float  * restrict A,  float
 * restrict B) {
  int  i,j,k;
 
  for (i=0; i<N; i++) {
    for (j=0; j<N; j++) {
      C[i*N+j]=0;
      for(k=0;k<N;k++)
      {
        C[i*N+j]+=A[i*N+k] * B[k*N+j];
      }
    }
  }
}

restrict 修飾子を使用する代わりに、コードをコンパイルする前に -fnoargument-alias または /Qno-alias-args を指定することもできます。

確認

"restrict" ポインター修飾子のセマンティクスに沿っていることを確認してください。ルーチンにおいて、そのポインターによりアクセスされるすべてのデータは、ほかのポインターからはアクセスできません。

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