インテル® Fortran コンパイラー XE 13.1 ユーザー・リファレンス・ガイド

diag、Qdiag

診断情報の表示を制御します。

IDE オプション

Windows*: [Diagnostics (診断)] > [Disable Specific Diagnostics (特定の診断を無効にする)] (/Qdiag-disable:id)

[Diagnostics (診断)] > [Level of Static Analysis (スタティック解析のレベル)] (/Qdiag-enable:sc{1|2|3})

[Diagnostics (診断)] > [Mode of Static Analysis (スタティック解析のモード)] (/Qdiag-enable:sc-{full|concise|precise})

Linux*: なし

OS X*: [Diagnostics (診断)] > [Disable Specific Diagnostics (特定の診断を無効にする)] (-diag-disable id)

アーキテクチャー

すべて

構文

Linux* および OS X*:

-diag-type diag-list

Windows*:

/Qdiag-type:diag-list

引数

type

診断に対して行う処理です。設定可能な値は以下のとおりです。

enable

診断メッセージまたはメッセージのグループを有効にします。

disable

診断メッセージまたはメッセージのグループを無効にします。

error

診断をエラーに変更するようにコンパイラーに指示します。

warning

診断を警告に変更するようにコンパイラーに指示します。

remark

診断をリマーク (コメント) に変更するようにコンパイラーに指示します。

diag-list

診断グループまたは ID の値です。設定可能な値は以下のとおりです。

driver

コンパイラー・ドライバーによって発行される診断メッセージを指定します。

vec

ベクトライザーによって発行される診断メッセージを指定します。

par

自動パラレライザー (並列最適化機構) によって発行される診断メッセージを指定します。

openmp

OpenMP* 並列化によって発行される診断メッセージを指定します。

sc[n]

スタティック解析を有効にし、出力する診断メッセージの重要度を指定します。n は 1、2、3 のいずれかです。これらの値についての詳細は、下記を参照してください。これは、古い値 sv[n] に相当します。この値は、OS X* システムでは利用できません。

sc-mode

スタティック解析診断を有効にし、解析モードを指定します。mode には、次のいずれかの値を指定できます: full、concise、または precise。これらの値についての詳細は、下記を参照してください。この値は、OS X* システムでは利用できません。

warn

重要度が "warning" (警告) の診断メッセージを指定します。

error

重要度が "error" (エラー) の診断メッセージを指定します。

remark

リマークまたはコメントの診断メッセージを指定します。

cpu-dispatch

診断メッセージの CPU ディスパッチ・リマークを指定します。デフォルトでは、これらのリマークは有効です。

id[,id,...]

1 つまたは複数のメッセージの ID を指定します。複数のメッセージ ID を指定する場合は、各メッセージ ID をカンマで区切る必要があります。各 "id" の間にはスペースを入れないでください。

tag[,tag,...]

1 つまたは複数のメッセージの簡略名を指定します。複数の簡略名を指定する場合は、各簡略名をカンマで区切る必要があります。各 "tag" の間にはスペースを入れないでください。

生成された診断メッセージは、/arch または /Qx (Windows*)、あるいは -m または -x (Linux* および OS X*) などの一部のオプションによる影響を受けます。

デフォルト

オフ

デフォルトでは、コンパイラーは特定の診断メッセージを発行します。

説明

このオプションは、診断情報の表示を制御します。-diag-file (Linux* および OS X*) または /Qdiag-file (Windows*) コンパイラー・オプションが指定されている場合を除き、診断メッセージは stderr に出力されます。

スタティック解析で、diag-list の値を "warn" (警告) に設定すると、次の動作が行われます。

次の表に、diag-listsc および sc-mode で指定可能な値の詳細を示します。これらの値は、OS X* システムでは利用できません。

diag-list の項目

説明

sc[n]

スタティック解析のメッセージの n では、次の値を指定できます。

 

1

重要度が "critical" (クリティカル) の診断のみをレポートします。重要度が "error" (エラー) または "warning" (警告) の診断はレポートされません。
 

2

重要度が "critical" (クリティカル) および "error" (エラー) の診断をすべてレポートします。重要度が "warning" (警告) の診断はレポートされません。これはデフォルトです。
 

3

重要度に関係なくすべての診断をレポートします。

sc-mode

スタティック解析のメッセージの mode では、次の値を指定できます。

 

full

プログラムのすべての脆弱性を検出し、誤検出の可能性が高くなります。このモードは、セキュリティーを確保する場合に推奨します。

-diag-enable sc{[1|2|3]} (Linux* および OS X*) または/Qdiag-enable:sc{[1|2|3]} (Windows*) が指定されている場合のデフォルトです。 そうでない場合のデフォルトはなし (スタティック解析診断は無効) です。

 

concise

より多くの検出漏れを許容することで誤検出を減らします。 このモードは、一般的なエラーを検出する場合に推奨します。

 

precise

誤検出を最小限に抑えますが、検出漏れの可能性が高まります。このモードは、承認テストを行う場合に推奨します。

スタティック解析を無効にするには、/Qdiag-disable:sc (Windows*) または -diag-disable sc (Linux*) を指定します。

ベクトライザーによって通知される診断情報を制御するには、-vec-report (Linux* および OS X*) または /Qvec-report (Windows*) オプションを使用します。

自動パラレライザーによって通知される診断情報を制御するには、-par-report (Linux* および OS X*) または /Qpar-report (Windows*) オプションを使用します。

代替オプション

enable vec

Linux* および OS X*: -vec-report

Windows*: /Qvec-report

disable vec

Linux* および OS X*: -vec-report0

Windows*: /Qvec-report0

enable par

Linux* および OS X*: -par-report

Windows*: /Qpar-report

disable par

Linux* および OS X*: -par-report0

Windows*: /Qpar-report0

次の例は、診断 ID 117、230、および 450 を有効にします。

-diag-enable 117,230,450     ! Linux* および OS X* システム
/Qdiag-enable:117,230,450    ! Windows* システム

次の例は、ベクトライザー診断メッセージを警告に変更します。

-diag-enable vec -diag-warning vec      ! Linux* および OS X* システム
/Qdiag-enable:vec /Qdiag-warning:vec    ! Windows* システム

警告に変更する前に、ベクトライザー診断を有効にする必要があります。

次の例は、すべての自動パラレライザー診断メッセージを無効にします。

-diag-disable par     ! Linux* および OS X* システム
/Qdiag-disable:par    ! Windows* システム

次の例は、すべての警告とリマークをエラーに変更します。

-diag-error warn,remark    ! Linux* および OS X* システム
/Qdiag-error:warn,remark   ! Windows* システム

次の例は、すべてのクリティカル・エラーに対してスタティック解析の診断メッセージを出力します。

-diag-enable sc1      ! Linux* システム
/Qdiag-enable:sc1     ! Windows* システム

次の例は、スタティックの診断 (およびデフォルトの診断) をファイルに出力します。

-diag-enable sc -diag-file=stat_ver_msg   ! Linux* システム 
/Qdiag-enable:sc /Qdiag-file:stat_ver_msg ! Windows* システム

ファイルに出力する前に、スタティック解析の診断を有効にする必要があります。 この場合、診断は stat_ver_msg.diag ファイルに出力されます。ファイル名が指定されていない場合は、診断結果は name-of-the-first-source-file.diag に送られます。

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