インテル® C++ コンパイラー 15.0 ユーザー・リファレンス・ガイド
算術ライブラリー関数が同じアーキテクチャーの異なるマイクロアーキテクチャーの実装において一貫した結果を生成するようにします。
Linux* および OS X*: | -fimf-arch-consistency=value[:funclist] |
Windows*: | /Qimf-arch-consistency:value[:funclist] |
value |
論理値 "true" または "false" のいずれかです。 |
funclist |
属性が適用される 1 つまたは複数の算術ライブラリー関数のリストです (オプション)。複数の関数を指定する場合は、カンマで区切る必要があります。sin と sinf のように特定の精度向けのバリエーションは異なる関数と見なされるため、単精度と倍精度の両方の正弦関数で高い精度を指定するには、-fimf-arch-consistency=true:sin,sinf (または /Qimf-arch-consistency:true:sin,sinf) を使用する必要があります。 また、単精度除算は /f、倍精度除算は /、拡張精度除算は /l、4 倍精度除算は /q のように、記号を使って指定することもできます。例えば、-fimf-arch-consistency=true:/ または /Qimf-arch-consistency:true:/ のように指定します。 |
false |
一部の算術ライブラリー関数の実装は、同じアーキテクチャーの異なる実装において、若干異なる結果を生成することがあります。 |
このオプションは、算術ライブラリー関数が同じアーキテクチャーの異なるマイクロアーキテクチャーの実装 (例えば、IA-32 アーキテクチャーの異なるマイクロアーキテクチャーの実装) において一貫した結果を生成するようにします。一貫性は 1 つのバイナリーでのみ保証されます。異なるアーキテクチャーでは保証されません。例えば、IA-32 アーキテクチャーとインテル® 64 アーキテクチャーでは一貫性は保証されません。
特定の算術関数の精度を定義する必要がある場合は、その関数名を指定します。例えば、倍精度の正弦関数の場合は sin、単精度の正弦関数の場合は sinf を指定します。そして、-fimf-arch-consistency=true:sin または /Qimf-arch-consistency:true:sin (倍精度の正弦の場合)、-fimf-arch-consistency=false:sqrtf または /Qimf-arch-consistency:false:sqrtf (単精度の平方根の場合) のように指定します。
関数名を指定しない場合、すべての関数 (およびすべての精度) に設定が適用されます。ただし、個々の関数名を指定すると、指定された関数の対応する精度のみに設定が適用されます。例えば、sinf は単精度の正弦関数のみ、sin は倍精度の正弦関数のみ、sinl は拡張精度の正弦関数のみ、というように適用されます。
-fimf-arch-consistency オプション (Linux* および OS X*) および /Qimf-arch-consistency オプション (Windows*) により、実行時のパフォーマンスが低下する可能性がありますが、マイクロアーキテクチャーに関わらず、すべてのインテル® プロセッサーおよび互換性のあるインテル以外のプロセッサーにおいて、ビット単位で一貫した結果を得られます。 このオプションは、異なるアーキテクチャー、例えば IA-32 アーキテクチャーとインテル® 64 アーキテクチャーの間やインテル® 64 アーキテクチャーとインテル® MIC アーキテクチャー間ではビット単位で一貫した結果は得られません。
LIBM (算術ライブラリー) および SVML (Short Vector Math Library) ライブラリーの多くのルーチンは、互換マイクロプロセッサーよりもインテル製マイクロプロセッサーでより高度に最適化されます。
なし
インテル® コンパイラーは、互換マイクロプロセッサー向けには、インテル製マイクロプロセッサー向けと同等レベルの最適化が行われない可能性があります。これには、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 2 (インテル® SSE2)、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 3 (インテル® SSE3)、ストリーミング SIMD 拡張命令 3 補足命令 (SSSE3) 命令セットに関連する最適化およびその他の最適化が含まれます。インテルでは、インテル製ではないマイクロプロセッサーに対して、最適化の提供、機能、効果を保証していません。本製品のマイクロプロセッサー固有の最適化は、インテル製マイクロプロセッサーでの使用を目的としています。インテル® マイクロアーキテクチャーに非固有の特定の最適化は、インテル製マイクロプロセッサー向けに予約されています。この注意事項の適用対象である特定の命令セットの詳細は、該当する製品のユーザー・リファレンス・ガイドを参照してください。 改訂 #20110804 |