インテル® C++ コンパイラー 16.0 ユーザー・リファレンス・ガイド

概要: Clang コンパイラーからインテル® C++ コンパイラーへの移植

OS X* プラットフォーム向けのインテル® C++ コンパイラーには、ICC と ICL の 2 つがあります。ICC コンパイラーは、EDG ベースのフロントエンドを提供し、Clang オプションをサポートしません。ICL コンパイラーは、Clang ベースのフロントエンドを提供し、Clang オプションをサポートします。

このセクションでは、Clang コンパイラー向けにビルドされたアプリケーションをインテル® C/C++ コンパイラー (ICL) に移植する際の基本的なアプローチを説明します。これらのコンパイラーは、それぞれ次のように対応しています。

言語 ICL インテル® C++ コンパイラー LLVM Clang コンパイラー
C icl clang
C++ icl++ clang++

インテル® C++ コンパイラーを使用する利点

Clang からインテル® C++ コンパイラーへアプリケーションを移植する際、多くのケースでは、Clang を起動する代わりにインテル® C++ コンパイラー (icl) を起動するように makefile を変更するだけで済みます。インテル® C++ コンパイラーを使用すると、特にインテル® プロセッサー上でアプリケーションのパフォーマンスが向上します。多くの場合、インテル® プロセッサー以外でも、アプリケーションのパフォーマンスが向上します。アプリケーションをインテル® C++ コンパイラーでコンパイルする場合、次の機能を使用できます。

インテル® C++ コンパイラーは Clang と互換性があり、Clang アプリケーションのインテル® C++ コンパイラーへの移植にはバイナリー互換の利点もあります。そのため、Clang アプリケーションのライブラリーをリビルドしなくて済むでしょう。インテル® C++ コンパイラーでは、Clang で提供しているコンパイラー・オプション、マクロ、環境変数を数多くサポートしています。

最適化に関する注意事項

インテル® コンパイラーは、互換マイクロプロセッサー向けには、インテル製マイクロプロセッサー向けと同等レベルの最適化が行われない可能性があります。これには、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 2 (インテル® SSE2)、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 3 (インテル® SSE3)、ストリーミング SIMD 拡張命令 3 補足命令 (SSSE3) 命令セットに関連する最適化およびその他の最適化が含まれます。インテルでは、インテル製ではないマイクロプロセッサーに対して、最適化の提供、機能、効果を保証していません。本製品のマイクロプロセッサー固有の最適化は、インテル製マイクロプロセッサーでの使用を目的としています。インテル® マイクロアーキテクチャーに非固有の特定の最適化は、インテル製マイクロプロセッサー向けに予約されています。この注意事項の適用対象である特定の命令セットの詳細は、該当する製品のユーザー・リファレンス・ガイドを参照してください。

改訂 #20110804

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