インテル® C++ コンパイラー 18.0 デベロッパー・ガイドおよびリファレンス

オフロードコードでのライブラリーの使用

このトピックは、インテル® メニー・インテグレーテッド・コア (インテル® MIC) アーキテクチャーをターゲットとする場合にのみ適用されます。

ヘテロジニアス・コンパイル環境は、ホスト CPU のコンパイル環境とターゲットのコンパイル環境で構成されます。各環境は、コンパイラー、リンカー、標準ライブラリーで構成されます。ホスト CPU のコードはホスト環境内で、オフロードコードはターゲット環境内でコンパイルされます。ターゲット環境で提供される独自の標準ライブラリーのセットは、特別な構文やランタイム機能を使用する必要がないオフロードコードから呼び出すことができます。

インテル® マス・カーネル・ライブラリー (インテル® MKL) やインテル® インテグレーテッド・パフォーマンス・プリミティブ (インテル® IPP) のような一部の共通ライブラリーは、CPU バージョンとターゲットバージョンで利用できます。

ターゲットが利用可能な場合、CPU バージョンの実行ファイルがロードされたとき、または最初のオフロードが行われたときに、ターゲットの実行ファイルがロードされます。このときに、ターゲットコードにリンクされているライブラリーは初期化されます。ホストプログラムが終了するまで、ロードしたターゲットの実行ファイルはターゲットのメモリーに残されます。この処理により、ライブラリーによって維持されるグローバル状態はすべてのオフロード・インスタンスで維持されます。

共有ライブラリー内でのみコードをオフロードする場合、[Q]offload コンパイラー・オプションを使用してメインプログラムをリンクする必要があります。

ライブラリーの別のコピーがホストプログラムおよびオフロード・ターゲット・コードとリンクまたはロードされるため、ホスト CPU とターゲットの 2 セットのグローバル状態が存在します。ホスト CPU のコードはホスト CPU の状態のみを確認でき、オフロードコードはターゲットのライブラリーの状態のみを確認できます。

最適化に関する注意事項

インテル® コンパイラーでは、インテル® マイクロプロセッサーに限定されない最適化に関して、他社製マイクロプロセッサー用に同等の最適化を行えないことがあります。これには、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 2、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 3、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 3 補足命令などの最適化が該当します。インテルは、他社製マイクロプロセッサーに関して、いかなる最適化の利用、機能、または効果も保証いたしません。本製品のマイクロプロセッサー依存の最適化は、インテル® マイクロプロセッサーでの使用を前提としています。インテル® マイクロアーキテクチャーに限定されない最適化のなかにも、インテル® マイクロプロセッサー用のものがあります。この注意事項で言及した命令セットの詳細については、該当する製品のユーザー・リファレンス・ガイドを参照してください。

注意事項の改訂 #20110804