インテル® Fortran コンパイラー 18.0 デベロッパー・ガイドおよびリファレンス
このトピックは、Windows* にのみ適用されます。
このセクションでは、次の項目に関する概要を説明します。
COM オブジェクト
Component Object Model (COM) は、再利用可能なソフトウェア・コンポーネントを作成するためのメカニズムを提供します。COM は、ソフトウェアの相互運用性を高めることを目的として設計されたオブジェクト・ベースのプログラミング・モデルです。つまり、2 つ以上のアプリケーションまたはコンポーネントが、異なるベンダーによって異なる時期に、異なるプログラミング言語で作成されていた場合でも、またそれらが異なるオペレーティング・システムを実行している異なるマシンで動作していても、簡単に協調動作を行うことができます。
COM では、複数のコンポーネントが、メソッド、メンバー関数、またはリクエストとも呼ばれる、関数呼び出しの集まり (インターフェイス) を通して、互いに、またはシステムと対話します。インターフェイスは、セマンティクス的に関連したメンバー関数のセットです。インターフェイス全体は、1 つのオブジェクトの機能を表しています。インターフェイスのメンバー関数は、それらの機能を構成する操作を表しています。一般的に、オブジェクトは複数のインターフェイスをサポートすることができ、COMQueryInterface (W*32 W*64) ルーチンを使用して、任意のインターフェイスへのポインターを取得することができます。
インテル® Fortran COM ルーチンは、基本的な COM 関数への Fortran インターフェイスを提供します。
オートメーション・オブジェクト
オートメーション・オブジェクトの機能は COM オブジェクトの機能に似ています。オートメーション・オブジェクトは、IDispatch インターフェイスを実装する COM オブジェクトです。オートメーション・オブジェクトは次の内容を公開します。
メソッド: オブジェクトに対して操作を行う関数です。これらは COM オブジェクトのメンバー関数によく似ています。
プロパティー: オブジェクトの状態に関する情報を保持します。プロパティーは 2 つのメソッドの組によって表現されます。1 つはプロパティーの現在値を取得し、もう 1 つはプロパティーの値を設定します。
インテル® Visual Fortran AUTO ルーチンは、オートメーション・オブジェクトのメソッドを呼び出し、そのプロパティーの設定と取得を行うための Fortran インターフェイスを提供します。
オブジェクト・サーバー
COM オブジェクトおよびオートメーション・オブジェクトは、COM サーバーおよびオートメーション・サーバーによって利用することができます。COM サーバーまたはオートメーション・サーバーは、次のいずれかの方法で実装することができます。
プロセスにロードされる DLL。
個別の実行プログラム。個別の実行プログラムは、アプリケーションと同じシステム、または異なるシステムに置くことができます。