インテル® Fortran コンパイラー 18.0 デベロッパー・ガイドおよびリファレンス

OpenMP* サポートをアプリケーションに追加する

OpenMP* サポートをアプリケーションに追加するには、次の操作を行います。

  1. 適切な OpenMP* ディレクティブをソースコードに追加します。

  2. /Qopenmp (Windows*) または -qopenmp (Linux* および macOS*) オプションを指定してアプリケーションをコンパイルします。

  3. 大規模なローカル配列や一時配列を持つアプリケーションの場合、実行時に利用可能なスタック領域を増やす必要があります。また、OMP_STACKSIZE 環境変数や対応するライブラリー・ルーチンを設定して、個々のスレッドに割り当てられるスタックを増やします。

マルチスレッド・コードの実行を制御するその他の環境変数を設定できます。

OpenMP* ディレクティブ構文

OpenMP* サポートをアプリケーションに追加するには、最初に適切な OpenMP* ディレクティブをソースコードに追加します。

OpenMP* ディレクティブは、特定の形式と構文を使用します。「OpenMP* のインテル拡張ルーチン」では、インテル® Fortran コンパイラーに追加された OpenMP* の拡張機能について説明されています。

次の構文は、ソースでディレクティブを使用する例を示します。

<prefix> <directive> [<clause>[[,]<clause>...]]

説明:

Qopenmp (Windows*) または qopenmp (Linux* および macOS*) オプションを指定しない場合、ディレクティブはコメントとして解釈されます。

並列領域を定義している OpenMP* 構造の構文形式は、次のいずれかです。

!$OMP <ディレクティブ>
  <コードの構造化ブロック> 
!$OMP END <ディレクティブ> 
                  # または
!$OMP <ディレクティブ>
  <コードの構造化ブロック> 
                  # または
!$OMP <ディレクティブ>

次の例は、OpenMP* ディレクティブを使用してループを並列化する 1 つの方法を説明します。

subroutine simple_omp(a, N)
  use omp_lib
  integer :: N, a(N) 
!$OMP PARALLEL DO
  do i = 1, N
    a(i) = i*2
  end do 
end subroutine simple_omp

アプリケーションのコンパイル

Qopenmp (Windows*) または qopenmp (Linux* および macOS*) オプションを指定すると、並列化機能はソースの OpenMP* ディレクティブに基づいてマルチスレッド・コードを生成します。このコードはシングル・プロセッサー・システム、マルチプロセッサー・システム、マルチコア・プロセッサー・システムで並列実行が可能です。

Qopenmp (Windows*) または qopenmp (Linux* および macOS*) オプションは、-O0 (Linux* および macOS*) または /Od (Windows*)、O1O2O3 の最適化レベルで動作します。

Qopenmp (Windows*) または qopenmp (Linux* および macOS*) オプションと -O0 (Linux* および macOS*) または /Od (Windows*) を指定すると、OpenMP* アプリケーションのデバッグに役立ちます。

次のようなコマンドを使用してアプリケーションをコンパイルします。

オペレーティング・システム

構文の例

Linux*

ifort -qopenmp source_file

macOS*

ifort -qopenmp source_file

Windows*

ifort /Qopenmp source_file

次のようなコマンドを使用して、上記の例をコンパイルすると仮定します。c オプションは、実行ファイルを生成しないでコードをコンパイルするようにコンパイラーに指示します。

オペレーティング・システム

拡張構文の例

Linux*

ifort -qopenmp -c parallel.f90

macOS*

ifort -qopenmp -c parallel.f90

Windows*

ifort /Qopenmp /c parallel.f90

コンパイラーは、次のようなメッセージを表示します。

parallel.f90(20) : (列 6) リマーク: OpenMP 定義ループが並列化されました。

OpenMP 環境の設定

マルチスレッド・コードを起動する前に、OpenMP* 環境変数 OMP_NUM_THREADS で使用するスレッドの数を設定できます。

関連情報