インテル® Fortran コンパイラー 18.0 デベロッパー・ガイドおよびリファレンス

fimf-max-error、Qimf-max-error

除算や平方根を含む数学ライブラリー関数の結果における相対誤差の最大限許容値を定義します。

構文

Linux* および macOS*:

-fimf-max-error=ulps[:funclist]

Windows*:

/Qimf-max-error:ulps[:funclist]

引数

ulps

コンパイラーで使用する相対誤差の最大限許容値を示す正の浮動小数点数です。

数値形式は、[digits] [.digits] [ { e | E }[sign]digits] です。

funclist

属性が適用される 1 つまたは複数の数学ライブラリー関数のリストです (オプション)。Fortran 標準の数学関数名ではなく、実際の数学ライブラリー名を指定する必要があります。複数の関数を指定する場合は、カンマで区切る必要があります。

sin と sinf のように特定の精度向けのバリエーションは異なる関数と見なされるため、単精度と倍精度の両方の正弦関数における相対誤差の最大限許容値を指定するには、-fimf-max-error=4.0:sin,sinf (または /Qimf-max-error=4.0:sin,sinf) を使用する必要があります。

また、単精度除算は /f、倍精度除算は /、拡張精度除算は /l、4 倍精度除算は /q のように、記号を使って指定することもできます。例えば、-fimf-max-error=4.0:/ または /Qimf-max-error:4.0:/ のように指定します。

デフォルト

-fimf-precision=medium または /Qimf-precision:medium

コンパイラーは、数学ライブラリー関数を呼び出すときに medium 精度を使用します。ほかのオプションも精度に影響することがあります。詳細は、下記を参照してください。

説明

このオプションは、数学ライブラリー関数の結果において、ulps で測定される相対誤差の最大限許容値を定義します。

このオプションは、実行時のパフォーマンスと結果の精度に影響します。

特定の数学関数の精度を定義する必要がある場合は、その関数名を指定します。例えば、倍精度の正弦関数の場合は sin、単精度の正弦関数の場合は sinf を指定します。そして、-fimf-max-error=4.0:sin または /Qimf-max-error:4.0:sin (倍精度の正弦の場合)、-fimf-max-error=4.0:sqrtf または /Qimf-max-error:4.0:sqrtf (単精度の平方根の場合) のように指定します。

関数名を指定しない場合、すべての関数 (およびすべての精度) に設定が適用されます。ただし、個々の関数名を指定すると、指定された関数の対応する精度のみに設定が適用されます。例えば、sinf は単精度の正弦関数のみ、sin は倍精度の正弦関数のみ、sinl は拡張精度の正弦関数のみ、というように適用されます。

相対誤差の最大限許容値を指定するオプションは 3 つあります。次のとおりです。

これらのオプションの 2 つ以上が指定された場合は、コマンドラインで最後に指定された相対誤差の最大限許容値がデフォルト値になります。

これらのオプションのいずれも指定されない場合は、次のオプションの設定に応じて、デフォルトの相対誤差の最大限許容値が決定されます。

LIBM (数学ライブラリー) および SVML (Short Vector Math Library) ライブラリーの多くのルーチンは、互換マイクロプロセッサーよりもインテル製マイクロプロセッサーでより高度に最適化されます。

Fortran 標準の数学組込み関数名は、数学ライブラリーの数学組込み関数名と異なります。該当する Fortran 数学関数に対応する、生成された実際の数学ライブラリー名を見つける必要があります。

この 1 つの方法として、/Fa または /S (Windows*) あるいは -S (Linux*) オプションを指定して、アセンブリー・コードを生成します。アセンブリー・コードで実際の数学ライブラリー名を確認できます。

例えば、SIN(x) を呼び出すプログラムを作成し、x を REAL(KIND=4) として宣言して、/S (Windows*) を指定してプログラムのアセンブリー・コードを生成すると、アセンブリー・コードで sinf の呼び出しを確認できます。

この場合、単精度の正弦関数の相対誤差の最大限許容値を定義するには、-fimf-max-error=sinf (または /Qimf-max-error:sinf) と指定します。

IDE オプション

なし

代替オプション

なし

最適化に関する注意事項

インテル® コンパイラーでは、インテル® マイクロプロセッサーに限定されない最適化に関して、他社製マイクロプロセッサー用に同等の最適化を行えないことがあります。これには、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 2、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 3、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 3 補足命令などの最適化が該当します。インテルは、他社製マイクロプロセッサーに関して、いかなる最適化の利用、機能、または効果も保証いたしません。本製品のマイクロプロセッサー依存の最適化は、インテル® マイクロプロセッサーでの使用を前提としています。インテル® マイクロアーキテクチャーに限定されない最適化のなかにも、インテル® マイクロプロセッサー用のものがあります。この注意事項で言及した命令セットの詳細については、該当する製品のユーザー・リファレンス・ガイドを参照してください。

注意事項の改訂 #20110804

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