インテル® Fortran コンパイラー 18.0 デベロッパー・ガイドおよびリファレンス
Fortran QuickWin アプリケーション (.EXE) はマルチスレッド化されており、プロジェクトの実行中に複数のウィンドウを開くことができるため、スタンダード・グラフィックス (QuickWin の単一ウィンドウ) アプリケーションよりも柔軟性があります。このように複数のウィンドウを開くことのできる機能を "マルチドキュメント・インターフェイス" または "MDI" と呼びます。この機能はさまざまな用途で使用できます。例えば、複数のグラフを描画し、これらのグラフ間で切り替えを行いながら、プログラムの実行を制御するウィンドウも同時に表示する場合に便利です。これらのウィンドウは、全画面表示したり、サイズを縮小して画面のさまざまな場所に配置することもできます。
QuickWin ライブラリー・ルーチンを使用することで、Windows* インターフェイスの単純化された機能を含むアプリケーションをインテル® Fortran で作成することができます。QuickWin ライブラリーは Windows* 機能を豊富に提供していますが、すべての Windows* アプリケーション・プログラミング・インターフェイス (API) をサポートしているわけではありません。これ以上の機能が必要な場合は、QuickWin を使用してプログラムをビルドする代わりに、Windows* API を直接呼び出すように Windows* アプリケーションを設定しなければなりません。
マルチドキュメント・インターフェイス (MDI) を使用するアプリケーションでは、ウィンドウ上部にメニューバーがあり、下部にステータスバーがあります。QuickWin ライブラリーは、QuickWin API を使用してカスタマイズすることができる基本メニューとメニュー項目を提供します。MDI を使用するアプリケーションは、外側のアプリケーション・ウィンドウ内に複数の "子" ウィンドウを作成します。MDI アプリケーション内のユーザー領域は、アプリケーション・ウィンドウのメニューバーおよびステータスバー間の領域に表示される子ウィンドウです。アプリケーションは同時に複数の子ウィンドウを開くことができます。
Fortran QuickWin アプリケーションは、IFLOGM モジュールを使用して、ダイアログボックスを制御する関数を参照することができます。これらの関数を使用することで、特殊なダイアログボックスを表示したり、初期化することができます。また、ダイアログボックスと通信を行うこともできます。これらの関数は、Windows* アプリケーションから直接呼び出すことが可能な Windows* API 関数のサブセットです。
Visual Studio* で QuickWin アプリケーションを作成する方法:
プロジェクトの種類として [QuickWin Application (QuickWin アプリケーション)] を選択します。
右のペインで [QuickWin Application (QuickWin アプリケーション)] テンプレートを選択します。
Fortran QuickWin プロジェクトを作成すると、QuickWin ライブラリーが IDE によって自動的にインクルードされ、グラフィック関数が使用可能になります。
コマンドラインからビルドする場合は、ビルドするアプリケーションが QuickWin アプリケーションであることを示すために、キーワード qwin を指定して libs コンパイラー・オプションを使用する必要があります。
QuickWin アプリケーションは、選択された解像度が画面のサイズと一致する場合、画面全体に表示されます。一致しない場合は、スクロールバー付きのウィンドウが表示されます。
Fortran QuickWin アプリケーションを DLL として作成することはできません。