インテル® Fortran コンパイラー 18.0 デベロッパー・ガイドおよびリファレンス

fimf-force-dynamic-target、Qimf-force-dynamic-target

数学関数の呼び出しでランタイム・ディスパッチを使用するようにコンパイラーに指示します。

構文

Linux* および macOS*:

-fimf-force-dynamic-target[=funclist]

Windows*:

/Qimf-force-dynamic-target[:funclist]

引数

funclist

属性が適用される 1 つまたは複数の数学ライブラリー関数のリストです (オプション)。Fortran 標準の数学関数名ではなく、実際の数学ライブラリー名を指定する必要があります。複数の関数を指定する場合は、カンマで区切る必要があります。

sin と sinf のように特定の精度向けのバリエーションは異なる関数と見なされるため、単精度と倍精度の両方の正弦関数でランタイム・ディスパッチを指定するには、-fimf-dynamic-target=sin,sinf (または /Qimf-dynamic-target:sin,sinf) を使用する必要があります。

また、単精度除算は /f、倍精度除算は /、拡張精度除算は /l、4 倍精度除算は /q のように、記号を使って指定することもできます。例えば、-fimf-dynamic-target=/ または /Qimf-dynamic-target:/ のように指定します。

デフォルト

オフ

数学ライブラリーの呼び出しでランタイム・ディスパッチを強制しません。コンパイラーは、利用可能な場合、数学関数の CPU 固有バージョンの呼び出しを選択できます。

説明

このオプションは、数学関数の呼び出しでランタイム・ディスパッチを使用するようにコンパイラーに指示します。このオプションをオンにすると、数学ライブラリーの呼び出しでランタイム・ディスパッチが強制されます。

デフォルトでは、このオプションがオフの場合、コンパイラーは [Q]x および arch コンパイラー・オプションによりコンパイル時に利用可能なターゲット CPU アーキテクチャー固有の情報を使用して、数学ライブラリーの呼び出しを最適化します。

1 つのアプリケーションで複数の CPU ファミリーをターゲットとする場合、または実行時にターゲット CPU を選択する場合は、このオプションを使用して数学ライブラリーの呼び出しでランタイム・ディスパッチを強制できます。

Fortran 標準の数学組込み関数名は、数学ライブラリーの数学組込み関数名と異なります。該当する Fortran 数学関数に対応する、生成された実際の数学ライブラリー名を見つける必要があります。

この 1 つの方法として、/Fa または /S (Windows*) あるいは -S (Linux*) オプションを指定して、アセンブリー・コードを生成します。アセンブリー・コードで実際の数学ライブラリー名を確認できます。

例えば、SIN(x) を呼び出すプログラムを作成し、x を REAL(KIND=4) として宣言して、/S (Windows*) を指定してプログラムのアセンブリー・コードを生成すると、アセンブリー・コードで sinf の呼び出しを確認できます。

この場合、単精度の正弦関数の呼び出しでランタイム・ディスパッチを使用するには、-fimf-force-dynamic-target=sinf (または /Qimf-force-dynamic-target:sinf) と指定します。

IDE オプション

なし

代替オプション

なし

最適化に関する注意事項

インテル® コンパイラーでは、インテル® マイクロプロセッサーに限定されない最適化に関して、他社製マイクロプロセッサー用に同等の最適化を行えないことがあります。これには、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 2、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 3、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 3 補足命令などの最適化が該当します。インテルは、他社製マイクロプロセッサーに関して、いかなる最適化の利用、機能、または効果も保証いたしません。本製品のマイクロプロセッサー依存の最適化は、インテル® マイクロプロセッサーでの使用を前提としています。インテル® マイクロアーキテクチャーに限定されない最適化のなかにも、インテル® マイクロプロセッサー用のものがあります。この注意事項で言及した命令セットの詳細については、該当する製品のユーザー・リファレンス・ガイドを参照してください。

注意事項の改訂 #20110804

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