インテル® Fortran コンパイラー 19.0 デベロッパー・ガイドおよびリファレンス

環境変数 FORT_CONVERT.ext または FORT_CONVERT_ext を使用する方法

この方法を使用することで、指定したそれぞれのファイル拡張子 (サフィックス) に対して、非ネイティブな数値形式を指定できます。暗黙的または明示的な OPEN が行われる前に、適切な環境変数を 1 つ以上の書式なしファイルに設定することで、ランタイムで数値形式を指定できます。FORT_CONVERT.ext 書式または FORT_CONVERT_ext 書式が使用可能です (ここで、ext はファイル拡張子またはサフィックスを意味します)。環境変数 FORT_CONVERT.ext は、環境変数 FORT_CONVERT_ext の前に検証されます (ext が同一の場合)。

例えば、書式なし I/O 文を使用して 1 つのファイルから数値データを読み取り、他のファイルにそのデータを書き込むコンパイル済みのプログラムがあると仮定します。また、このプログラムを使って、拡張子が .data であるファイルから非ネイティブ・ビッグエンディアン (IEEE* 浮動小数点) 形式を読み出し、他の .data ファイルにそのデータをネイティブ・リトルエンディアン形式で書き出すとします。この場合、データは、.data ファイルからの読み出し時に、ビッグエンディアン IEEE 形式からネイティブ・リトルエンディアン IEEE メモリー形式 (IEEE binary32 および IEEE binary64) に変換され、ネイティブ・リトルエンディアン IEEE 形式のまま、.data ファイルに書き出されます (ここでは、ユニット番号に対して、環境変数 FORT_CONVERT.DATA と FORT_CONVERTn が定義されていないことを前提にしています)。

次のコマンドを実行することで、ソースコードを編集したり、プログラムを再びコンパイルすることなく、プログラムを実行する前に適切な環境変数を設定できます。

// Linux*
  setenv FORT_CONVERT.DAT BIG_ENDIAN
// Windows*
  set FORT_CONVERT.DAT=BIG_ENDIAN

FORT_CONVERTn は、この方法よりも優先されます。ファイルを開いたときに、適切な環境変数が設定されていると、環境変数 FORT_CONVERTn がユニット番号に対して設定されていない場合、環境変数 FORT_CONVERT.ext または FORT_CONVERT_ext が使用されます。

FORT_CONVERTn、および FORT_CONVERT.ext または FORT_CONVERT_ext は、環境変数を設定する他の方法よりも優先されます。例えば、この方法を使用することで、ユニット番号に対して、プログラムで指定されている形式の代わりに、特定の形式を使用するように指定できます (1 回限りのファイル変換などに便利です)。

FORT_CONVERT.ext 書式または FORT_CONVERT_ext 書式を使用して適切な環境変数を設定できます。インテル® Fortran を Linux* システム上で使用する場合も、一部の Linux* コマンドシェルでは、環境変数名にドット (.) を使用できないため、FORT_CONVERT_ext 書式を使用することを推奨します。また、同じ拡張子 (ext) に対して、FORT_CONVERT.ext および FORT_CONVERT_ext の両方を定義した場合、FORT_CONVERT.ext で定義されたファイルが使用されます。

Windows* システムの場合、ファイル名拡張子 (サフィックス) では大文字と小文字は区別されません。拡張子は (ディレクトリー・パスではなく) ファイル名の一部として扱う必要があります。