インテル® Fortran コンパイラー 19.0 デベロッパー・ガイドおよびリファレンス
インテル® Fortran は、すべてまたは一部のファイル (ディレクトリーおよびファイル名) を指定するための、さまざまな方法を提供しています。次のリストでは、例として Linux* のパス名 /usr/proj/testdata を使用しています。
OPEN 文の FILE 指定子では、通常、ファイル名のみ (testdata など) を指定するか、ディレクトリーとファイル名の両方 (/usr/proj/testdata など) を指定します。
OPEN 文の DEFAULTFILE 指定子では、通常、ディレクトリーのみ (/usr/proj/ など) を含むパス名、またはディレクトリーとファイル名の両方 (/usr/proj/testdata など) を指定します。
暗黙の OPEN を使用する場合、または OPEN 文の FILE 指定子がファイル名を指定していない場合、ディレクトリーとファイル名の両方を含むファイル名またはパス名を指定する環境変数を使用することができます。
例えば、ユニット番号 3 の暗黙の OPEN では、インテル® Fortran は環境変数 FORT3 をチェックします。環境変数 FORT3 が設定されている場合、その値が使用されます。設定されていない場合、fort.3 というファイル名を使用します。
次の表では、READ (1,100) 文と同様に現在のディレクトリーが /usr/smith で、I/O はユニット 1 を使用すると仮定します。
OPEN FILE 値 |
OPEN DEFAULTFILE 値 |
FORT1 環境変数値 |
使用されるパス名 |
---|---|---|---|
指定なし |
指定なし |
指定なし |
/usr/smith/fort.1 |
指定なし |
指定なし |
test.dat |
/usr/smith/test.dat |
指定なし |
チェックなし |
/usr/tmp/t.dat |
/usr/tmp/t.dat |
指定なし |
/tmp |
指定なし |
/tmp/fort.1 |
指定なし |
/tmp |
testdata |
/tmp/testdata |
指定なし |
/usr |
lib/testdata |
/usr/lib/testdata |
file.dat |
/usr/group |
チェックなし |
/usr/group/file.dat |
/tmp/file.dat |
チェックなし |
チェックなし |
/tmp/file.dat |
file.dat |
指定なし |
チェックなし |
/usr/smith/file.dat |
結果のパス名がチルダ文字 (~) で始まるとき、C シェルスタイルのパス名代入は、最上位のディレクトリー (ルートの下) を使用します。チルダパス名代入の詳細については、csh(1) を参照してください。
インテル® Fortran では、一定の規則に基づいてファイル名とディレクトリー・パスは決定されます。次のようにファイル名の文字列を決定します。
FILE 指定子が指定されている場合は、その値が使用されます。
FILE 指定子が指定されていない場合は、インテル® Fortran により対応する環境変数が検証されます。対応する環境変数が指定されている場合は、その値が使用されます。対応する環境変数が設定されていない場合は、fort.n 形成のファイル名が使用されます。
インテル® Fortran により使用されるファイル名文字列が決定されると、次のように (オプションとしてファイル名の前に付く) ディレクトリーが決定されます。
使用されるファイル名文字列に絶対パス名が含まれる場合は、その値が使用され、DEFAULTFILE 指定子、環境変数、および現在のディレクトリーの値は無視されます。
使用されるファイル名の文字列に絶対パス名が含まれない場合は、インテル® Fortran により DEFAULTFILE 指定子と現在のディレクトリー値が検証されます。対応する環境変数が設定されていて、絶対パス名が指定されている場合はその値が使用されます。それ以外の場合は、DEFAULTFILE 指定子が指定されている、その値が使用されます。DEFAULTFILE 指定子が指定されていない場合は、インテル® Fortran は絶対パス名として現在のディレクトリーを使用します。