インテル® Fortran コンパイラー 19.0 デベロッパー・ガイドおよびリファレンス

環境変数 FORT_CONVERTn を使用する方法

この方法を使用することで、指定したそれぞれのユニット番号に対して、非ネイティブな数値形式を指定できます。暗黙的または明示的な OPEN が行われる前に、適切な環境変数をユニット番号に設定することで、ランタイム時に数値形式を指定できます。

ファイルを開いた時点で適切な環境変数が設定されていると、この方法は他のすべての方法よりも優先されるので、その環境変数が常に使用されます。例えば、この方法を使用することで、ユニット番号に対して、プログラムで指定されている形式の代わりに、特定の形式を使用するように指定できます (1 回限りのファイル変換などに便利です)。

例えば、書式なし I/O 文を使用してユニット 28 から数値データを読み取り、ユニット 29 にそのデータを書き込むコンパイル済みのプログラムがあると仮定します。また、このプログラムを使って、ユニット 28 から非ネイティブ・ビッグエンディアン (IEEE 浮動小数点) 形式を読み出し、ユニット 29 にそのデータをネイティブ・リトルエンディアン形式で書き出すとします。この場合、データはユニット 28 からの読み出し時に、ビッグエンディアン IEEE 形式からネイティブ・リトルエンディアン IEEE メモリー形式に変換され、ネイティブ・リトルエンディアン IEEE 形式のまま、ユニット 29 に書き出されます。

次の一連のコマンドを実行することで、ソースコードを編集したり、プログラムを再びコンパイルすることなく、プログラムを実行する前に適切な環境変数を設定できます。

Linux*

setenv FORT_CONVERT28 BIG_ENDIAN
setenv FORT_CONVERT29 NATIVE

Windows*

set FORT_CONVERT28=BIG_ENDIAN 
set FORT_CONVERT29=NATIVE

以下の図では、環境変数の設定後にプログラムを実行したときの、ディスク上とメモリー上で使用されるデータ形式を示します。

書式なしファイルの変換例

この方法は、他のどの方法よりも優先されます。