インテル® Fortran コンパイラー 19.0 デベロッパー・ガイドおよびリファレンス

Fortran プリプロセッサー・オプションの使用

Fortran プリプロセッサー (fpp) は自動的に、または fpp コンパイラー・オプションを指定して起動することができます。

fpp コンパイラー・オプションを使用する場合、次のプリプロセッサー・オプションを利用できます。Linux* および macOS* では、プリプロセッサー・オプションはダッシュ (-) で始まります (例: "-macro=no")。Windows* では、プリプロセッサー・オプションはスラッシュ (/) で始まります (例: /macro=no)。

プリプロセッサー・オプション

説明

B

C++ 形式のコメントを認識しないように指示します。

C

C 形式のコメントを認識しないように指示します。これは、c_com=no と同じです。

c_com={yes|no}

C 形式のコメントを認識するかどうかを指示します。c_com=no または C を指定すると、C 形式のコメントは認識されません。デフォルトでは、C 形式のコメントが認識されます。つまり、c_com=yes です。

Dname

プリプロセッサー変数 name を 1 と定義します。これは、Dname=1 オプションを fpp コマンドラインに追加するのと同じです。これは、fpp によって処理されたソースファイルの次の行と同じです。

#define name 1

Dname=val

#define ディレクティブを使用する場合と同様に name を定義します。これは、fpp によって処理されたソースファイルの次の行と同じです。

#define name var

name に英数字でない文字が含まれる場合、Dname=val は無視されます。

D オプションよりも U オプションの方が優先されます。U オプションと D オプションの両方で同じ名前が使用されている場合、オプションの順序に関係なく、その名前は未定義となります。

e

固定形式ソースファイルは、最大 132 文字までの拡張ソース行を許可するようにコンパイラーに指示します。

e80

固定形式ソースファイルは、最大 80 文字までの拡張ソース行を許可するようにコンパイラーに指示します。

f_com={yes|no}

Fortran 形式の end-of-line コメントを fpp で認識するか、無視するかを指定します。f_com=no を指定すると、Fortran 形式の end-of-line コメントはプリプロセッサー・ディレクティブの一部として処理されます。

デフォルトでは、fpp はプリプロセッサー行にある Fortran 形式の end-of-line コメントを識別し、無視します。つまり、f_com=yes です。次に例を示します。

#define max 100 ! 最大数
do i = 1, max + 1

f_com=yes を指定すると、fpp は次を出力します。

do i = 1, 100 + 1

f_com=no を指定すると、fpp は次を出力します。

do i = 1, 100 ! 最大数 + 1

f77

入力ソースが FORTRAN 77 言語であると仮定するようにコンパイラーに指示します。

f90

入力ソースが Fortran 90 言語であると仮定するようにコンパイラーに指示します。

fixed

ソースファイルが固定形式であると仮定するようにコンパイラーに指示します。

free

ソースファイルが自由形式であると仮定するようにコンパイラーに指示します。

help

fpp オプションに関する情報を表示します。

Idir

名前の先頭が "/" でないファイルの検索パスにディレクトリー <dir> を追加します。名前が二重引用符 (") で囲まれているインクルード・ファイルが、最初に #include dir 行で指定されているファイルのディレクトリー、次に I オプションで指定されている名前のディレクトリー、最後に標準のリストにあるディレクトリーの順に検索されるように、<dir> は標準の "インクルード" ディレクトリーのリストの前に追加されます。名前が山括弧 (< >) で囲まれているインクルード・ファイルの場合、#include 行で指定されているファイルのディレクトリーは検索されません。

M

make の依存情報を生成します。

m

すべての場所でマクロを展開します。これは、macro=yes と同じです。

macro={yes|no_com|no}

マクロの展開の動作を指示します。macro=no_com を指定すると、コメント内のマクロは展開されません。macro=no を指定すると、どの場所でもマクロは展開されません。デフォルトでは、マクロはすべての場所で展開されます。つまり、macro=yes です。

macro_expand={vc|cpp}

マクロの展開モードを指示します。macro_expand=vc を指定すると、マクロは Microsoft* Visual C/C++* 順に展開されます。macro_expand=cpp を指定すると、マクロは GNU* CPP 順に展開されます。

MF=file

fpp が file に依存情報を追加するように指示します。

noB

C++ 形式のコメントを認識するように指示します。

noC

C 形式のコメントを認識するように指示します。これは、c_com=yes と同じです。

noJ

#define 行で F90 スタイルのコメントを認識するように指示します。これは、f_com=no と同じです。

no-fort-cont

IDL 形式の書式を認識するように指示します。このオプションは、IDE でのみ利用できます。

IDL のマクロ引数には、Fortran の継続文字 & とは異なる、C 形式の継続文字 \ が含まれることがあります。IDL プロセッサーが認識できるように、fpp プリプロセッサーは C 形式の継続文字を認識し、Fortran のトークンではないその他のいくつかのトークンを処理します。

P

行番号のディレクティブを出力ファイルに追加しないようにコンパイラーに指示します。行番号のディレクティブは次のように表示されます。

#line-number file-name

Uname

名前が、特定のプリプロセッサーで事前定義されている fpp 変数である場合、名前の初期定義を削除します。システムのアーキテクチャーに応じて、事前定義されているシンボルの例を以下に示します。

オペレーティング・システム: __APPLE____unix、および __linux

ハードウェア: __i386__x86_64

undef

すべての事前定義済みシンボルの初期定義を削除します。

V

fpp のバージョン番号を表示します。

w[0]

警告を出力しないようにします。デフォルトでは、警告は標準エラーストリーム (stderr) に出力されます。

what

詳細なバージョン情報を表示します。

Xu

文字-文字列定数を除き、大文字を小文字に変換します。デフォルトでは、大文字/小文字はそのままです (変更されません)。

Xw

固定形式のソースファイルで、ブランクまたはスペース記号 " " を無視するようにコンパイラーに指示します。この形式のデフォルトでは、スペース記号はトークンの区切り文字です。

Ydir

ディレクトリー dir をシステム・インクルード・パスの最後に追加します。