インテル® Fortran コンパイラー 19.0 デベロッパー・ガイドおよびリファレンス
このトピックは、Windows* 向けの Fortran アプリケーションにのみ適用されます。
次に、Fortran の複数のデータ型に当てはまる一般的なヒントを示します。
スカラー (非配列) データについては、データヒント機能 (変数名の上にポインターを置く) を使用するか、[ローカル] ウィンドウか [ウォッチ] ウィンドウを使用します。インテル® Fortran は、[自動変数] ウィンドウをサポートしません。
1 次元配列データ、派生型データ、レコード構造体データ、および複素数データについては、[ローカル] ウィンドウか [ウォッチ] ウィンドウを使用します。
DLL からエクスポートされた共通ブロックについては、共通ブロックの名前を [ウォッチ] ウィンドウに移動 (ドラッグ) します。他の構造体のように、共通ブロック変数を参照できます。
データヒント、[ローカル] ウィンドウ、または [ウォッチ] ウィンドウについての詳細は、「Squares サンプルプログラムのデバッグ」を参照してください。
以下のセクションで、[ウォッチ] ウィンドウの使用方法を説明します。
[ウォッチ] ウィンドウを表示するには、次の操作を行います。
[デバッグ] メニューで [ウィンドウ] > [ウォッチ] を選択します。
サブメニューの [ウォッチ 1]、[ウォッチ 2]、[ウォッチ 3]、または [ウォッチ 4] をクリックします。
[ウォッチ] ウィンドウで部分配列を指定することができます。例えば、次のように宣言された配列について考えてみます。
integer foo(10)
[ウォッチ] ウィンドウで次の文を指定すると、2 番目、5 番目、および 8 番目の要素を参照することができます。
foo(2:10:3)
文字配列を扱う際には、この構文を部分文字列の指定と組み合わせることができます。次の配列宣言について考えてみます。
character*8 chr_arr(10)
[ウォッチ] ウィンドウで次の文を指定すると、配列要素 2~5 の 3 文字目~ 8 文字目で構成される部分文字列を表示することができます。
chr_arr(2:5)(3:8)
この機能は、配列ポインター、形状引き継ぎ配列、割付け配列、および大きさ引き継ぎ配列を含む任意の形式の配列でサポートされます。
下限、上限、または増分を指定するときには、任意の有効な整数式を使用することができます。下限を省略すると、配列の下限が使用されます。上限を省略すると、配列の上限が使用されます。例えば、次のような宣言の場合を考えてみます。
integer foo(10)
次のように指定します。
要素 1 ~ 8 を表示するには、foo(:8) と指定します。
要素 5 ~10 を表示するには、foo(5:) と指定します。
10 個の要素すべてを表示するには、foo(:) と指定します。
[ウォッチ] ウィンドウでモジュール変数を表示するには、モジュール名の後に「::」を付け、さらに変数名を続けます。
例えば、モジュール "foo" の変数 "bar" を表示するには、次の式を指定します。
foo::bar
[ウォッチ] ウィンドウでは、書式指定子を使用して、変数をさまざまなデータ書式で表示することができます。
例えば、プログラム中に 'foo' という REAL 変数がある場合、'foo' を各種の浮動小数点表記 ([ウォッチ] ウィンドウで「foo,f」、「foo,g」、または「foo,e」と入力) で表示したり、整数 (「foo,i」または「foo,d」)、16 進値 (「foo,x」)、8 進値 (「foo,o」) などとして表示することができます。
[ウォッチ] ウィンドウの変数の表示形式は、次の表の書式指定シンボルを使用して変更できます。
シンボル |
書式 |
値 |
表示 |
---|---|---|---|
d、i |
符号付き 10 進整数 |
0xF000F065 |
-268373915 |
o |
符号なし 8 進整数 |
0xF065 |
0170145 |
x、X |
16 進整数 |
61541 (10 進) |
#0000F065 |
f |
符号付き浮動小数点 |
3./2. |
1.5000000 |
e |
符号付き科学表記 |
3./2. |
0.1500000E+01 |
g |
符号付き浮動小数点または符号付き科学表記の短い方 |
3./2. |
1.500000 |
c |
単一文字 |
0x0065 |
'e' |
s |
文字列 |
0x0012fde8 |
"Hello world" |
書式指定シンボルを使用するには、変数名を入力し、その後にカンマと適切なシンボルを入力します。例えば、var の値が 0x0065 で、この値を文字書式で表示する場合は、[ウォッチ] ウィンドウタブの [名前] フィールドに var,c と入力します。ENTER キーを押すと、文字書式の値が表示されます。
var,c = 'e'
次の表の書式指定シンボルを使用して、メモリー位置の内容を書式指定することができます。
シンボル |
書式 |
表示 |
---|---|---|
ma |
64 個の ASCII 文字 |
0x0012ffac .4...0...".0W&.......1W&.0.:W..1...."..1.JO&.1.2.."..1...0y....1 |
m |
16 バイトの 16 進値と、16 個の ASCII 文字 |
0x0012ffac B3 34 CB 00 84 30 94 80 FF 22 8A 30 57 26 00 00 .4...0...".0W&.. |
mb |
16 バイトの 16 進値と、16 個の ASCII 文字 |
0x0012ffac B3 34 CB 00 84 30 94 80 FF 22 8A 30 57 26 00 00 .4...0...".0W&.. |
mw |
8 個のワード |
0x0012ffac 34B3 00CB 3084 8094 22FF 308A 2657 0000 |
md |
4 個のダブルワード |
0x0012ffac 00CB34B3 80943084 308A22FF 00002657 |
メモリー位置の書式指定シンボルでは、位置に評価される任意の値または式を入力することができます。
書式指定文字は式の後ろに指定することもできます。
rep+1,x
xloc,g
count,d
書式指定シンボルは、構造体、配列、ポインター、およびオブジェクトに対しては、展開されない変数としてしか適用できません。変数を展開すると、指定した書式指定はすべての要素に適用されます。書式指定シンボルを個々の要素に適用することはできません。