前処理の概要

この節では、プリプロセッサの動作の指定に使用できるオプションについて説明します。前処理は、マクロ置換、条件付きコンパイル、ファイルのインクルードといった処理を行います。

プリプロセッサ・オプション

オプション 説明
-Aname[(value)]

nameというシンボルを、指定するvalueに関連付けます。#assert という前処理ディレクティブと同じです。

-A- 事前定義済みマクロとアサーションをすべて無視します。
-C 前処理済みのソース出力の中にコメントを保存します。
-Dname[=text]

name という名前のマクロを定義し、そのマクロを指定した text に関連付けます。-Dname を指定しないと、tesxt を1としてマクロが定義されます。

-E ソース・モジュールを展開してその結果を標準出力に出力するようにプリプロセッサに指示します。#line ディレクティブについて出力します。
-EP ソース・モジュールを展開してその結果を標準出力に出力するようにプリプロセッサに指示します。#line ディレクティブについて出力しません。
-P ソース・モジュールを展開してその結果をカレント・ディレクトリ内の.i ファイルに保存するようにプリプロセッサに指示します。#line ディレクティブについて出力しません。

-Uname

指定したマクロnameに対する自動定義を行わない設定にします。

-X

インクルード・ファイルの検索先から、標準のディレクトリを外します。

-H

インクルードされたファイルのフルパス名を順番に標準出力に出力します。 #include の依存性を表すのに、インデントが使用されます。

-M

makefileの依存情報を生成します。

-MD

前処理およびコンパイルを行います。依存情報が含まれている出力ファイル(.d 拡張子)を生成します。

-MFfile

makefileの依存情報をfileに生成します。-Mまたは-MMを指定する必要があります。

-MG

-Mと類似していますが、見つからないヘッダファイルを、生成したファイルとして処理します。

-MM

-Mと類似していますが、システム・ヘッダ・ファイルをインクルードしません。

-MMD

-MDと類似していますが、システム・ヘッダ・ファイルをインクルードしません。

-MX

インテルwbツールで使用される情報を含む依存ファイル(.o.dep拡張子)を生成します。

-dM

前処理を行った後に有効なマクロ定義を出力します (-Eと使用)。

-MD

前処理およびコンパイルを行います。依存情報が含まれている出力ファイル(.d 拡張子)を生成します。

-Idirectory

インクルード・ファイルを探すときの、標準以外のdirectoryを指定します。