Itanium® ベース・システムの浮動小数点演算の精度

次のインテル® Fortran コンパイラ・オプションは、Itanium® ベース・システム上で浮動小数点計算用にコンパイラの最適化を制御できるようにします。

浮動小数点積和/積差演算の縮約

-IPF_fma[-] は、浮動小数点積和/積差演算の 1 つの演算への縮約を有効/無効 にします。-mp が指定されない限り、コンパイラは可能な限りこれらの演算を縮約します。-mp オプションは、縮約を無効にします。

-IPF_fma および -IPF_fma- は、デフォルトのコンパイラ動作を無効にするのに使用されます。例えば、-mp-IPF_fma をともに使用すると、コンパイラは縮約演算を有効にします。

ifort -mp -IPF_fma myprog.f

FP スペキュレーション

-IPF_fp_speculationmode は、次のいずれかのモード (mode) で、浮動小数点演算のスペキュレーションを設定します:

fast: 浮動小数点演算のスペキュレーションを有効にします (デフォルト)。

safe: 安全な場合のみ浮動小数点演算のスペキュレーションを有効にします。

strict: すべての状況で浮動小数点ステータスを保持する浮動小数点演算をスペキュレーションします。現在のバージョンでは、このモードは浮動小数点演算のスペキュレーションを無効にします(off と同じ)

off: 浮動小数点演算のスペキュレーションを無効にします。

FP 数値演算関数の最適化

-IPF_fp_relaxed[-] は、処理速度を速くする [無効にする] ことができますが、除算や平方根のような数値演算関数においてコード・シーケンスの精度が少し低くなります。厳密な IEEE* 精度と比較した場合、このオプションを使用すると、そのような関数による浮動小数点演算精度が少し低くなります (通常は、最下位の桁数に制限されます)。デフォルトは -QIPF_fp_relaxed- です。

FP 演算の評価

-IPF_flt_eval_method{0|2} オプションは、次のように浮動小数点オペランドを含む計算式の評価をコンパイラに指示します:

-IPF_flt_eval_method0 は、プログラムで宣言された変数型により指定された精度で、浮動小数点式の演算子に関する表現を評価するようにコンパイラに指示します。

-IPF_flt_eval_method2 は、現在のバージョンではサポートされていません。

FP 結果の精度制御

-IPF_fltacc は、浮動小数点の精度に影響を与える最適化を無効にします。デフォルトはそのような最適化を有効にする -IPF_fltacc- です。

Itanium コンパイラは、浮動小数点の式を再割り当てしてアプリケーションのパフォーマンスを向上する場合があります。-IPF_fltacc または -mp を使用して、これらの浮動小数点の最適化を無効にしたり、あるいは制限します。