IPO オブジェクトからのライブラリの作成

通常、ライブラリは ar などのライブラリ・マネージャを使用して作成されます。ライブラリ・マネージャは、オブジェクト・リストを読み取り、そのオブジェクトを、次のリンク段階で使用するライブラリに挿入します。

xiar cru user.a a.o b.o

上記のコマンドは、a.ob.o オブジェクトを含む user.a  というライブラリを作成します。

ただし、-ipo -c を使用してオブジェクトが作成された場合、オブジェクトは有効なオブジェクトではなく、そのオブジェクト・ファイルの中間表現 (IR) だけを含みます。次に例を示します。

ifort -ipo -c a.f b.f

リンク時のコンパイルに使用される IR だけを含んだ a.ob.o が作成されます。ライブラリ・マネージャでは、このオブジェクトをライブラリに挿入できません。

この場合は、ライブラリ・ドライバ xild -ar を使用しなければなりません。このドライバは、オブジェクト・ファイルに保存している IR 上にコンパイラを呼び出し、ライブラリに挿入できる有効なオブジェクトを生成します。

xild -lib cru user.a a.o b.o

xild を使用したマルチファイル IPO 実行ファイルの作成」を参照してください。