対象とするプロセッサの指定 (-tpp{n})

-tpp{n} プションは、特定のインテル® プロセッサ向けにアプリケーションのパフォーマンスを最適化できます。このオプションを使用すると、指定したバージョンに関連付けられたプロセッサ用にチューニングされたコードが生成されます。例えば、-tpp7 オプションを指定すると、インテル® Pentium® 4 プロセッサ、インテル® Xeon™ プロセッサ、インテル Pentium M プロセッサ、および ストリーミング SIMD 拡張命令 3 (SSE3) をサポートするインテル Pentium 4 プロセッサ用に最適化したコードが生成され、-tpp2 オプションを指定すると、インテル® Itanium® 2 プロセッサ用に最適化したコードが生成されます。

 -tpp{n} オプションは常に同じファミリのインテル・プロセッサと下位互換のあるコードを生成します。 したがって、-tpp7 を使用して生成したコードは Pentium Pro プロセッサまたは Pentium III プロセッサでも正しく動作しますが、-tpp6 で生成したコードに比べて、これらのプロセッサ上での実行速度が多少遅くなります。同様に、-tpp2 で生成したコードは Itanium プロセッサでも正しく動作しますが、-tpp1 で生成したコードに比べて実行速度が多少遅くなります。

IA-32 システム用のプロセッサ

-tpp5-tpp6、および -tpp7 の各オプションは、次の表にリストされている特定のインテル IA-32 プロセッサ用にアプリケーションのパフォーマンスを最適化します。最適化を行ったバイナリは、下記の表で記述されているあらゆるプロセッサ上で正しく動作します。

オプション

最適化の対象となるプロセッサ

-tpp5

インテル Pentium プロセッサ、および MMX® テクノロジ Pentium® プロセッサ

-tpp6

インテル  Pentium Pro プロセッサ、Pentium II プロセッサ、および Pentium III プロセッサ

tpp7
(デフォルト)

インテル Pentium 4 プロセッサ、インテル Xeon プロセッサ、インテル Pentium M プロセッサ、およびストリーミング SIMD 拡張命令 3 (SSE3) をサポートするインテル Pentium 4 プロセッサ

次の各コマンドは、ソース・プログラム prog.f から、デフォルトでインテル Pentium 4 プロセッサおよびインテル Xeon プロセッサ向けに最適化されたコンパイル済みバイナリを 1 つ生成します。これらの結果は Pentium、Pentium Pro、Pentium II、および Pentium III プロセッサ上でも実行することができます。

ifort prog.f

ifort -tpp7 prog.f

ただし、インテル Pentium プロセッサおよび MMX テクノロジ Pentium プロセッサ用にアプリケーションを最適化する場合、次のように -tpp5 オプションを使用します。

ifort -tpp5 prog.f

Itanium ベースのシステム用のプロセッサ

-tpp1 および-tpp2 の各オプションは、次の表にリストされている特定のインテル IA-32 プロセッサ用にアプリケーションのパフォーマンスを最適化します。最適化を行ったバイナリは、下記の表で記述されている両方のプロセッサ上で正しく動作します。

オプション

最適化の対象となるプロセッサ

-tpp 1

インテル Itanium プロセッサ

-tpp 2 (デフォルト)

インテル Itanium 2 プロセッサ

次の各コマンドは、ソース・プログラム prog.f から、デフォルトでインテル Itanium 2 プロセッサ向けに最適化されたコンパイル済みバイナリを 1 つ生成します。この結果は Itanium プロセッサ上でも実行することができます。

ifort prog.f

ifort -tpp2 prog.f

ただし、インテル Itanium プロセッサ向けのアプリケーションを対象にする場合、-tpp 1 オプションを使用します:

ifort -tpp1 prog.f