インテル® Fortran ランタイム・システムはいくつかの環境変数を認識します。これらの変数は、ランタイム時の診断エラー・レポートをカスタマイズするのに使用できます。
ランタイム環境変数の例:
decfort_dump_flag
この変数が Y または y に設定される場合、重大なインテル Fortran ランタイム・エラーが発生した際に、コアダンプを行います。
F_UFMTENDIAN
この変数は、リトル・エンディアンからビッグ・エンディアンへの変換に使用されるユニット数を指定します。詳細は、「環境変数 F_UFMTENDIAN を使用する方法」を参照してください。
FOR_ACCEPT
ACCEPT 文では明示的な論理ユニット番号は指定されません。その代わりに、ACCEPT 文は暗黙の内部的な論理ユニット番号と FOR_ACCEPT 環境変数が使用されます。FOR_ACCEPT が指定されていない場合、ACCEPT f,iolist
というコードは stdin (標準入力) から読み取りを行います。FOR_ACCEPT が定義されている場合は (オプションとしてパスを含むファイル名)、指定されたファイルが読み取られます。
FOR_DIAGNOSTIC_LOG_FILE
ファイル名が設定されていた場合、指定されたファイルに診断出力を書き出します。
Fortran ランタイム・システムは、そのファイルを開き (アペンド出力)、ファイルにエラー情報 (ASCII テキスト) を書き出そうと試みます。
FOR_DIAGNOSTIC_LOG_FILE の設定は FOR_DISABLE_DIAGNOSTIC_DISPLAY からは独立しているため、画面上での情報の表示を無効にすると同時に、エラー情報をファイルに収集することができます。ファイル名として割り当てたテキスト文字列はそのままの形で使用されるので、完全な名前を指定する必要があります。ファイルを開くことに失敗すると、エラーは報告されず、ランタイム・システムは診断処理を続行します。
FOR_DISABLE_DIAGNOSTIC_DISPLAY
すべてのエラー情報の表示を無効にします。
この変数は、プログラムのエラー状態をテストすることだけが目的で、Fortran のランタイム・システムにプログラムの異常終了に関する情報は表示させたくない場合に便利です。
FOR_DISABLE_STACK_TRACE
この変数を使用すると、重大なエラー・メッセージ・テキストの表示の後に続くコール・スタック・トレース情報が表示されなくなります。
Fortran のランタイム時エラー・メッセージは、FOR_DISABLE_STACK_TRACE が True に設定されているかどうかとは関係なく表示されます。
FOR_IGNORE_EXCEPTIONS
True に設定されていると、「Just-in Time」デバッグの許可といったデフォルトのランタイム例外処理が無効になります。ランタイム・システムの例外ハンドラはオペレーティング・システムに対して EXCEPTION_CONTINUE_SEARCH を返し、オペレーティング・システムはこの例外を処理する他のハンドラを探します。
FOR_NOERROR_DIALOGS
True に設定されていると、特定の例外またはエラーが起こったときに、ダイアログボックスの表示を無効にします。これは、多数のテスト・プログラムをバッチモードで実行するときに、実行が失敗したためにテスト・ストリーム全体が停止することを防ぐ場合に便利です。
FOR_PRINT
PRINT 文でも WRITE 文でも論理ユニット番号の代わりにアスタリスク (*) を指定すると、明示的な論理ユニット番号は使用されません。その代わりに、どちらの文でも暗黙的な内部論理ユニット番号と FOR_PRINT 環境変数が使用されます。FOR_PRINT が定義されていなければ、PRINT f,iolist
または WRITE (*,f) iolist
というコードは、stdout (標準出力) に書き出しを行います。FOR_PRINT が定義されていれば (オプションとしてパスを含むファイル名)、指定されたファイルが読み取られます。
FOR_READ
READ 文で、ユニット番号の代わりにアスタリスク (*) を指定する場合、明示的な論理ユニット番号は使用されません。その代わりに、暗黙的な内部論理ユニット番号と FOR_READ 環境変数が使用されます。FOR_READ が定義されていない場合、READ (*,f) iolist
または READ f,iolist
というコードは stdin (標準入力) から読み取りを行います。FOR_READ が定義されている場合、(オプションとしてパスを含むファイル名)、指定されたファイルが読み取られます。
FOR_TYPE
TYPE 文では明示的な論理ユニット番号は指定されません。その代わりに、暗黙的な内部論理ユニット番号と FOR_TYPE 環境変数が使用されます。FOR_TYPE が 定義されていない場合、TYPE f,iolist
というコードは stdout (標準入力) に書き出しを行います。FOR_TYPE が定義されている場合 (オプションとしてパスを含むファイル名)、指定されたファイルへ書き出されます。
FORT_BUFFERED
端末への出力を除いて、ランタイム時のすべての Fortran I/O ユニットの出力にはバッファ I/O を使用するように要求します。これは、-assume buffered_io
コンパイラ・オプション
をサポートするランタイム・メカニズムを提供します。
FORT_CONVERTn
特定のユニット番号 (n) に関連付けられた書式なしファイルのデータ書式を指定することができます。詳細は、「データ書式の指定方法: 概要」と「環境変数 FORT_CONVERTn を使用する方法」を参照してください。
FORT_CONVERT.ext and FORT_CONVERT_ext
書式なしファイルに対してデータ書式を特定のファイル拡張子 (接尾辞)(ext) で指定します。詳細は、 「データ書式の指定方法: 概要」と「環境変数 FORT_CONVERT.ext or FORT_CONVERT_ext を使用する方法」を参照してください。
FORTn
コンパイラ・オプション
-fpscomp filesfromcmd が指定されておらず、OPEN 文でファイル名が指定されていないか、暗黙の OPEN が使用されたときに、特定のユニット番号 (n) に使用するファイル名を指定することができます。ユニット番号 0、5、および 6 に事前に接続されているファイルは、デフォルトではシステムの標準 I/O ファイルに関連付けられています。
NLSPATH
インテル Fortran のランタイム・エラー・メッセージ・カタログのパスです。
TBK_ENABLE_VERBOSE_STACK_TRACE
エラー発生時に、詳細なコールスタック情報を表示します。
通常は、デフォルトの簡単な出力だけで、エラーの発生場所を特定することができます。この簡単な出力には、スタックフレーム 1 つにつき 1 行で 20 個までのスタック・フレームが含まれます。各フレームについて、イメージの名前に続き、PC、ルーチン名、行番号、およびソースファイルが表示されます。
詳細出力を選択すると、簡単な出力で表示される情報に加えて、エラーが機械語例外だった場合には例外コンテキスト・レコードが表示され (マシン・レジスタ・ダンプ)、個々のフレームについてリターンアドレス、フレームポインタとスタックポインタ、およびルーチンに対するパラメータ (存在する場合) が表示されます。この出力はかなり長くなることがあり (ただし16K バイトに制限されます)、出力を正確に記録したい場合には環境変数 FOR_DIAGNOSTIC_LOG_FILE を使用することを推奨します。多くの場合、詳細出力を使用する必要はありません。
FOR_ENABLE_VERBOSE_STACK_TRACE 変数もまた、Compaq* Fortran との互換性のために認識されます。
TBK_FULL_SRC_FILE_SPEC
この変数は、トレースバック出力にパスを含む完全なファイル名を表示します。
デフォルトでは、トレースバック出力はソース・ファイル・フィールドにファイル名と拡張子しか表示しません。この変数は、詳細を表示する場合に設定します。
FOR_FULL_SRC_FILE_SPEC 変数 もまた、Compaq* Fortran との互換性のために認識されます。
TMP、TMPDIR、および TEMP
一時ファイルの作成場所に、代わりの作業ディレクトリを指定します。詳細は、「コンパイラまたはリンカにより作成される一時ファイル」を参照してください。