インテル® Fortran コンパイラでは、分母の逆数によって浮動小数点数の除算計算を乗算に変えられます。-prec_div を使用して浮動小数点除算から乗算へ変換する最適化処理を無効にして、より正確な除算結果を取得します。速度に少し影響します。
-pc{32|64|80} オプションは、浮動小数点数の仮数部の精度を制御するために使用します。特定の IA-32 システムや Itanium® ベースのシステム用に作成した一部の浮動小数点アルゴリズムでは、浮動小数点数値の仮数部または小数部の精度が重要となります。このオプションの各選択肢を使用すると、次に示すように仮数部がそれぞれのビット数に丸められます。
-pc32: 24 ビット (単精度)
-pc64: 53 ビット (倍精度)
-pc80: 64 ビット (拡張精度)
デフォルトは、-pc80 (倍精度) です。
このオプションでは、完全な最適化を実行できます。このオプションで影響されるのは浮動小数点値の小数部だけなので、-mp オプションとは異なり、パフォーマンスに悪影響は与えません。指数の部分は影響を受けません。
注
このオプションは、 コンパイルされるモジュールがメイン・プログラムを含むときのみ効果があります。
警告
デフォルトの精度制御方式または丸めモードを変更すると (例えば、-pc32 オプションの使用やユーザの介入によって)、いくつかの算術関数で返された結果に影響する場合があります。
インテル Fortran コンパイラは -rcd オプションを使用して、浮動小数点から整数への変換において、丸めモードの変更を無効にします。
デフォルトでは、浮動小数点の丸めモードは「最近値への丸め」となっています。つまり、各値は浮動小数点の計算中に丸められます。しかし、Fortran 言語では、浮動小数点数値は整数への変換時に切り捨てられる必要があります。これを行うために、コンパイラは各浮動小数点の変換前に一度丸めモードを切り捨てに変更し、後で元に戻さなければなりません。
-rcd オプションは、浮動小数点数から整数への変換を含むすべての浮動小数点計算において、丸めモードから切り捨てモードへの変更を無効にします。このオプションをオンにするとパフォーマンスは向上できますが、整数への浮動小数点の変換が Fortran のセマンティクスに準拠しなくなります。
-fp_port オプションを使用して、代入とキャストの際に浮動小数点の結果を丸めることもできます。このオプションは処理速度に影響を与えることがありますが、確実に代入時にユーザ定義の精度への丸めが行われます。-mp1 オプションは、-fp_port の指定が含まれます。