プログラムの重要なポイントで何が起こっているのかを明らかにするには、これらのポイントで実行を停止し、プログラム変数の内容を調べ、正しい値が入っているかを確かめる必要があります。デバッガがプログラムを停止するポイントを「ブレークポイント」と呼びます。
ブレークポイントを設定するには、次の stop または stopi コマンドのいずれかの形式を使用します。
サンプル・プログラムを使用して、次のデバッガコマンドでは、4 行目にブレークポイントを設定し、プログラムを実行し、プログラムを続行し、ブレークポイントを削除してから、プログラムを再実行し、シェルに戻ります:
(idb) stop at 4
[#1: stop at "squares.f90":4 ]
(idb) run
[1] stopped at [squares:4 0x120001880]
> 4 OPEN(UNIT=8, FILE='datafile.dat', STATUS='OLD')
(idb) cont
Process has exited with status 0
(idb) delete 1
(idb) rerun
Process has exited with status 0
(idb) quit
%
この例では次の事柄が行われます:
stop at 4 コマンドで 4 行目にブレークポイントを設定します。サブプログラム (calc など) の先頭にブレークポイントを設定するには、stop in コマンド (stop in calc など) を使用します。
run コマンドでプログラムの実行を開始し、最初のブレークポイントで停止します。ここでは、プログラムがアクティブになっているので、print コマンドを使用して変数の値を表示したり、関連するコマンドを実行できます。
cont コマンドでプログラムの実行を再開 (続行) させます。cont コマンド以外にも、step、next、run、または rerun コマンドを使用してプログラムの実行を再開できます。
delete 1 コマンドは、以前に設定したブレークポイント (イベント番号 1 を持つブレークポイント) を削除します。例えば、rerun コマンドを使用する前に、以前に設定したブレークポイントを削除する場合に役立ちます。
rerun コマンドでプログラムを再び実行します。設定したブレークポイントが削除されたので、プログラムは終了まで実行します。
quit コマンドでデバッガを終了し、シェルに戻ります。
その他のデバッガコマンドには次のようなものがあります:
デバッガコマンドに関するヘルプを表示するには、help コマンドを入力します。
以前に入力したデバッガコマンドを表示するには、history コマンドを入力します。
特定の位置の内容を見るには、print または dump コマンドを使用します。
シェルコマンドを実行するには、sh コマンド (後ろに実行するシェルコマンドを付けて) を使用します。例えば、関数名を思い出せないときに、次の grep シェルコマンドを使用して、「FUNCTION」 という文字列を含む行を表示することができます。次の例では、関数名 (SUBSORT) を grep コマンドで調べ、stop in コマンドで使用しています:
(idb) sh grep FUNCTION data.for
INTEGER*4 FUNCTION SUBSORT (A,B)
(idb) stop in subsort
(idb)
「デバッガコマンドの概要」も参照してください。