概要: [Discovery Options (探索オプション)]

標準 make プロジェクトでは、プロジェクトをビルドするための makefile を開発者自身が作成して提供する必要があります。管理 make プロジェクトの場合は、Eclipse* IDE でプロジェクトをビルドするための makefile は自動で作成されます。そのため、Eclipse IDE では、標準 make プロジェクトに比べて、管理 make プロジェクトの内部ビルド状態について、より広い範囲の情報が認識されます。例えば、makefile にコーディングされているインクルード・ファイル・パス (-I) やマクロ定義 (-D) などのビルド情報、ビルドツール (コンパイラー、コンパイラー・ドライバー、リンカーなど) 固有のビルド設定情報などは、標準 make プロジェクトよりも管理 make プロジェクトの方が、Eclipse IDE で認識されやすくなっています。このような情報は、IDE の検索機能やコード支援機能に影響を与えます。[Discovery Options (探索オプション)] サポート機能では、標準 make プロジェクトでの検索機能やコード支援機能を向上させることができます。

この機能が、CDT で標準 make プロジェクトを扱う際にどのように役立つかを例をあげて説明します。エディタービューで開いているソースファイルでコード呼び出し内の、ある関数の宣言を検索したいと仮定します。コードで関数呼び出しを選択して、右クリックし、コンテキスト・メニューの [Open Declaration (宣言を開く)] を選択します。ここで、この関数宣言を含むインクルード・ファイルが開発者自身の makefile にコーディングされたディレクトリーにあると、CDT はこのインクルード・パスを認識しないために、目的の宣言を見つけることができません。

CDT の [Discovery Options (探索オプション)] サポートでは、このような状況に Eclipse IDE のビルド情報を強化することで対応します。 このサポート機能を有効にすると、抽出するビルド処理出力を '探索' し、パースして、本来なら CDT で認識されないビルドパス情報を抽出します。この情報は、CDT の検索機能で使用されるパス情報に追加され、インクルード・ファイルを見つけて開くことができます。CDT では、デフォルトで GNU* ツール (gcc* など) をサポートしています。インテル(R) コンパイラーでプロジェクトをビルドする場合は、このセクションで説明されている設定で行ってください。

このセクションでは、[Discovery Options (探索オプション)] を使ってサンプルをビルドする方法を説明します。