NULL

変形組込み関数 (総称):宣言時に,ポインタを空状態として初期化します。これは Fortran 95 の新しい組込み手続です。

形式

result = NULL ( [ mold ] )

mold
(入力) ポインタ。任意の型を使用できます。ポインタ結合状態には,結合,空状態,および不定があります。結合状態の場合でも,指示先が特定の値に定義されている必要はありません。

結果

結果の型は mold と同じです (存在する場合)。mold がない場合は,以下のように決定されます。

NULL() が使われている場所 型が決定される場所
ポインタ代入の右辺 左辺のポインタ
宣言中のオブジェクトの初期化として オブジェクト
成分の暗黙的初期値指定として 成分
構造体構成子の中 対応する成分
実引数として 対応する仮引数
DATA 文の中 対応するポインタ・オブジェクト

結果は,空状態を持つポインタになります。


注意DFWIN または DFWINTY モジュールを使用している場合,NULL 組込み関数を使用すると,名前の重複が発生します。この問題を回避するには,整数型パラメタ定数 NULL を別の名前に変更します。たとえば,以下のようにします。

	USE DFWIN, NULL0 => NULL

この例では,名前の重複なしで同じプログラム単位で NULL0NULL( ) を利用することができます。


次の例を考えます。

	INTEGER, POINTER :: POINT1 => NULL()

この文は,POINT1 の初期結合状態を空状態として定義します。