この節では,Visual Fortran 実行時エラー番号の 615 ~ 656 番までのエラーについて詳細に説明します。
以下の表では,第 1 列に,I/O エラーが検知された時に IOSTAT 変数に返されるエラー番号を一覧表示しています。
第 2 列の第 1 行は,(forrtl: に続いて表示される) 重大度レベル,メッセージ番号,およびメッセージ・テキストを示しています。第 2 列の第 2 行は,状態条件シンボル (たとえば,FOR$IOS_INCRECTYP) とメッセージの説明を示しています。
重大度レベルについては,「Visual Fortran 実行時エラー」を参照してください。
番号 | 重大度レベル,番号,メッセージ・テキスト。条件シンボルと説明 |
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615 | severe (615): Multiple repeat field
FOR$IOS_F6503。書式 i*c の並び入力で,余分な繰り返し欄が使われました。たとえば,以下を考えます。 READ(*,*) I, J, K 入力 2*1*3 はこのエラーを返します。2*1 はそれぞれが 1 の 2 つの値を送ることを意味し,*3 がエラーです。 |
616 | severe (616): Invalid number in input
FOR$IOS_F6504。並び入力記録の幾つかの値が数字ではありませんでした。たとえば,以下を考えます。 READ(*,*) I, J 入力が 123 'abc' であれば,2 番目の入力がこのエラーを引き起こします。 |
617 | severe (617): Invalid string in input
FOR$IOS_F6505。文字列項目が一重引用符 (アポストロフィ) で囲まれていませんでした。 |
618 | severe (618): Comma missing in COMPLEX input
FOR$IOS_F6506。並び入力を使用する時,複素数の実部と虚部がコンマで区切られていませんでした。 |
619 | severe (619): T or F expected in LOGICAL read
FOR$IOS_F6507。間違った書式が,論理データの入力欄で使用されました。 論理データの入力欄は,省略可能な空白,次に省略可能な小数点,次に真用の T または偽用の F で構成されています。T または F の次に付加的な文字列が続きます。つまり,.TRUE. および .FALSE. が入力書式として受け付けられます。 |
620 | severe (620): Too many bytes read from unformatted record
FOR$IOS_F6508。プログラムが,書式なしファイルから含まれる現在の記録より大きいデータを読み取ろうとしました。プログラムが書式なし直接探査ファイルから読み取ろうとしていた場合,RECL オプションで指定した固定記録長よりも大きいデータを読み取ろうとしていました。プログラムが書式なし順番探査ファイルから読み取ろうとしていた場合,記録に書き込まれていたデータよりも大きいデータを読み取ろうとしていました。 |
621 | severe (621): H or apostrophe edit descriptor illegal on input
FOR$IOS_F6509。ホレリス (H) またはアポストロフィ編集記述子が READ 文が使用する書式に現れました。 |
622 | severe (622): Illegal character in hexadecimal input
FOR$IOS_F6510。入力欄が 16 進数ではない文字を含んでいました。 正しい 16 進数の文字は,0 ~ 9 と A ~ F です。 |
623 | severe (623): Variable name not found
FOR$IOS_F6511。変数群記録からの入力で遭遇した名前が,対応する NAMELIST 文で宣言されていません。 |
624 | severe (624): Invalid NAMELIST input format
FOR$IOS_F6512。入力記録は,変数群入力に対する正しい書式ではありません。 |
625 | severe (625): Wrong number of array dimensions
FOR$IOS_F6513。変数群入力で,配列名は宣言とは異なる添え字数で指定されていました,または非配列名が指定されていました。 |
626 | severe (626): Array subscript exceeds allocated area
FOR$IOS_F6514。変数群入力で,添え字が宣言した配列の次元を超えて指定されていました。 |
627 | severe (627): Invalid subrange in NAMELIST input
FOR$IOS_F6515。変数群入力で,文字項目は1 <= e1 <= e2 <= len の要求を満たしていない副範囲で指定されています。(ここで "len" は文字項目の長さで,"e1" は部分列の最も左側の位置で,"e2" は部分列の最も右側の位置です。) |
628 | severe (628): Substring range specified on non-CHARACTER item
FOR$IOS_F6516。変数群入力で,非文字項目が部分列範囲で指定されていました。 |
629 | severe (629): Internal file overflow
FOR$IOS_F6600。プログラムが,内部ファイル記録をオーバーフローしたか,内部ファイルの終了位置を越えて記録を書き込もうとしました。 |
630 | severe (630): Direct record overflow
FOR$IOS_F6601。プログラムが,直接探査ファイルの個々の記録に対して RECL オプションで指定したバイト数より大きいデータを書き込もうとしました。 |
631 | severe (631):Numeric field bigger than record size
FOR$IOS_F6602。プログラムが,並びまたは変数群出力で記録境界を越えて非文字項目を書き込もうとしました。文字定数のみが記録境界を越えることができます。 |
632 | severe (632): Heap space limit exceeded
FOR$IOS_F6700。プログラムが,ヒープ空間を越えました。ALLOCATE 文と様々な内部関数は,ヒープからメモリーを割り付けます。このエラーは,ヒープ空間の最後が使い果たされる時に発生します。 |
633 | severe (633): Scratch file name limit exceeded
FOR$IOS_F6701。プログラムが,ユニークなスクラッチ・ファイル名を生成するために使用するテンプレートを使い尽くしました。1 度に開くことができるスクラッチ・ファイルの最大数は 26 です。 |
634 | severe (634): D field exceeds W field in ES edit descriptor
FOR$IOS_F6970。指定した小数点以下のけた数 D が ES 形編集記述子の指定した欄幅 W を超えています。 |
635 | severe (635): D field exceeds W field in EN edit descriptor
FOR$IOS_F6971。指定した小数点以下のけた数 D が EN 形編集記述子の指定した欄幅 W を超えています。 |
636 | severe (636): Exponent of 0 not allowed in format
FOR$IOS_F6972。 |
637 | severe (637): Integer expected in format
FOR$IOS_F6980。編集記述子に必要な整数値が不足していました。たとえば,以下を考えます。 WRITE(*, 100) I, J 100 FORMAT (I2, TL, I2) 整数が TL の後に期待する整数がないため,最初のコードがこのエラーを引き起こします。 |
638 | severe (638): Initial left parenthesis expected in format
FOR$IOS_F6981。書式が左括弧 (() で始まっていませんでした。 |
639 | severe (639): Positive integer expected in format
FOR$IOS_F6982。ゼロまたは負の整数値が書式で使用されていました。 負の整数値は,P 形編集記述子でのみ使われます。ゼロの整数値は,数値編集記述子の d および m 欄でのみ使われます。 |
640 | severe (640): Repeat count on nonrepeatable descriptor
FOR$IOS_F6983。BN,BZ,S,SS,SP,T,TL,TR,/,$,:,またはアポストロフィ (') 形編集記述子の 1 つ以上がそれらに関連する繰り返し数をもっていました。 |
641 | severe (641): Integer expected preceding H, X, or P edit descriptor
FOR$IOS_F6984。整数が,(繰り返さない) H,X,または P 形編集記述子の前に置かれていませんでした。 これらの記述子の正しい書式は,それぞれ nH,nX,および kP です。ここで,n は正の整数で,k は省略可能な符号付き整数です。 |
642 | severe (642): N or Z expected after B in format
FOR$IOS_F6985。数値入力欄内の囲まれた空白および後ろに続く空白の解釈を制御するには,BN (それらを無視する) または BZ (それらをゼロとして解釈する) 形編集記述子を指定しなければなりません。 |
643 | severe (643): Format nesting limit exceeded
FOR$IOS_F6986。書式の括弧の主レベル内で括弧が 16 より多い組で入れ子になっていました。 |
644 | severe (644): '.' expected in format
FOR$IOS_F6987。D,E,F,または G 形編集記述子の w と d 欄の間にピリオドがありませんでした。 |
645 | severe (645): Unexpected end of format
FOR$IOS_F6988。不完全な書式が使われていました。 不適切に一致した括弧,終了していないホレリス (H) 記述子,または,他の不完全な記述子の指定がこのエラーを引き起こします。 |
646 | severe (646): Unexpected character in format
FOR$IOS_F6989。正しい編集記述子の一部として解釈できない文字が書式で使用されていました。たとえば,以下を考えます。 WRITE(*, 100) I, J 100 FORMAT (I2, TL4.5, I2) TL4.5 が正しい編集記述子ではないため,このコードがこのエラーを生成します。TL の後には整数を指定しなければなりません。 |
647 | severe (647): M field exceeds W field in I edit descriptor
FOR$IOS_F6990。形式 Iw.m で,m の値は w の値を超えることはできません。 |
648 | severe (648): Integer out of range in format
FOR$IOS_F6991。編集記述子に指定した整数値が 4 バイト整数として表現するには大きすぎました。 |
649 | severe (649): format not set by ASSIGN
FOR$IOS_F6992。READ,WRITE,または PRINT 文の書式指定子が整数変数でしたが,ASSIGN 文が同じプログラム単位の FORMAT 文の文番号にそれを正しく割り当てませんでした。 |
650 | severe (650): Separator expected in format
FOR$IOS_F6993。書式指定では,編集記述子をコンマまたは斜線 (/) で区切らなければなりません。 |
651 | severe (651): %c or $: nonstandard edit descriptor in format
FOR$IOS_F6994。 |
652 | severe (652): Z: nonstandard edit descriptor in format
FOR$IOS_F6995。Z は,書式の標準編集記述子ではありません。 16 進値を転送したい場合,編集記述子書式 Zw[.m] を使わなければなりません。ここで,w は欄幅で,m は欄内になければならない (先行するゼロも含む) けた数の最小数です。 |
653 | severe (653): DOS graphics not supported under Windows NT
FOR$IOS_F6996。 |
654 | severe (654): Graphics error
FOR$IOS_F6997。IOFOCUS が明示的にまたは基本設定として真とした OPEN 文は,新しいウィンドウがフォーカルを受け取ることができないために,失敗します。ウィンドウ・ハンドルは,不正,または閉じた状態になるか,または,メモリー・リソースの問題を引き起こすかもしれません。 |
655 | severe (655): Using QuickWin is illegal in console application
FOR$IOS_F6998。Console アプリケーションからの QuickWin の呼び出しが実行中に起こりました。 |
656 | severe (656): Illegal 'ADVANCE' value
FOR$IOS_F6999。ADVANCE オプションは,値 'YES' および 'NO' のみを取ることができます。ADVANCE='YES' が基本設定です。ADVANCE は,READ 文のオプションです。 |