Fortran 95/90 の配列ポインタと配列の渡し方は，その時点で有効な ATTRIBUTES オプションと，渡し先の手続の INTERFACE (存在する場合) の影響を受けます。INTERFACE が配列ポインタか，形状無指定配列 (ARRAY(:) など) を宣言している場合，その記述子が渡されます。これは，割付け配列だけでなく，配列ポインタとすべての配列に当てはまります。INTERFACE が配列ポインタまたは固定整形配列を宣言している場合，またはインタフェースがない場合，配列ポインタまたは配列はベース・アドレスによって渡されます。これは，配列の最初の要素を渡すのに似ています。
Fortran 95/90 配列ポインタまたは配列を別の言語に渡すときには，その記述子またはそのベース・アドレスを渡すことができます。
次に，各種の属性が有効になっているときに，割付け配列と Fortran 95/90 配列ポインタがどのように渡されるかを示します。
配列ポインタまたは配列のプロパティがない場合，渡す側の手続のプロパティにかかわらず，記述子によって渡されます (なし；C；STDCALL；C, REFERENCE；または STDCALL, REFERENCE)。
配列ポインタまたは配列のプロパティが VALUE の場合，渡す側の手続のプロパティにかかわらず，エラーが返されます。
配列ポインタまたは配列のプロパティが REFERENCE の場合，渡す側の手続のプロパティにかかわらず，記述子によって渡されます。
記述子を基本とする配列では，VALUE オプションは使用できないことに注意してください。
Fortran の配列ポインタまたは配列を Fortran 以外のルーチンに記述子で渡す場合，そのルーチンは記述子を解釈する方法を知っていなくてはなりません。記述子の一部は C のポインタのようなアドレス空間へのポインタで，一部はポインタまたは次元数，増分，および境界などの配列プロパティの記述です。
Visual Fortran の配列記述子の書式についての詳細は，「配列と Visual Fortran 配列記述子の処理」を参照してください。
スカラ・データをポイントする Fortran 95/90 ポインタは，データのアドレスを含んでおり，記述子によっては渡されません。
各種の型の配列引数を渡すときの性能への影響については，「配列の効率的な使用」を参照してください。