環境変数 FORT_CONVERT.ext または FORT_CONVERT_ext を使用する方法

この方法では,1 つのプログラムで複数の書式を指定することができます。通常は,指定したファイル拡張子 (接尾辞) ごとに 1 つの書式を指定します。数値書式は,1 つ以上の書式なしファイルに対して暗黙または明示的な OPEN が行われる前に,適切な環境変数を設定することによって実行時に指定します。環境変数 FORT_CONVERT.ext または FORT_CONVERT_ext を使用することができます (ここで,ext はファイル拡張子または接尾辞です)。環境変数 FORT_CONVERT.ext は,(もし同じ ext を持っていれば) 環境変数 FORT_CONVERT_ext の前に検証されます。

たとえば,1 つのファイルから数値データを読み取り,書式なし I/O 文を使って他のファイルに書き込む以前にコンパイルしたプログラムを持っていると仮定します。.dat ファイル拡張子を持つファイルから非ネイティブ・ビッグ・エンディアン (IEEE 浮動小数点) 書式を読み取り,そのデータを .data ファイル拡張子を持つファイルにネイティブ・リトル・エンディアンでの書き込みをプログラムに行わせたいとします。この場合,データは,ビッグ・エンディアン IEEE 書式からネイティブ・リトル・エンティアン IEEE メモリー書式 (S 浮動小数点と T 浮動小数点) に file.dat から読み込まれたときに変換され,変換なしに .data ファイル拡張子を持つファイルにネイティブ・リトル・エンディアン IEEE 書式で書き込まれます。この時,環境変数 FORT_CONVERT.DATAFORT_CONVERTn (その装置番号に対して) が定義されていないと仮定しています。

このプログラムのソース・コードの修正や再コンパイルを行うことなく,以下のコマンド列は,プログラム (c:\proj2\cvbigend.exe) を実行する前に適切な環境変数を設定します。

	set FORT_CONVERT.DAT=BIG_ENDIAN
	c:\proj2\cvbigend.exe

FORT_CONVERTn の方法がこの方法よりも優先されます。ファイルを開いたときに,適切な環境変数が設定されている場合,環境変数 FORT_CONVERTn が装置番号に対して設定されていなければ,環境変数 FORT_CONVERT.ext または FORT_CONVERT_ext が使われます。

環境変数 FORT_CONVERTnFORT_CONVERT.ext または FORT_CONVERT_ext の方法は,他の方法よりも優先されます。たとえば,装置番号がプログラム中で指定されている書式に代わって特定の書式 (多分,1 度のファイル変換のため) を使うように指定するために,この方法を使用します。

FORT_CONVERT.ext または FORT_CONVERT_ext の書式を使って適切な環境変数を設定することができます。Compaq Fortran for Tru64 UNIX も使用している場合,FORT_CONVERT_ext 書式を使用することを考慮してください。これは,ドット (.) が特定の U*X コマンド・シェルでは環境変数名として使用できないためです。同じ拡張子 (接尾辞) に対して FORT_CONVERT.extFORT_CONVERT_ext の両方を定義した場合,ファイルは FORT_CONVERT.ext を使って定義されます。

Windows システムでは,ファイル拡張子 (接尾辞) の大文字と小文字は区別されません。拡張子は,ファイル名の一部でなければなりません (ディレクトリ・パスの一部ではありません)。