この方法では,1 つのプログラムで複数の書式を指定することができます。通常は,指定した装置番号ごとに 1 つの書式を指定します。この方法を使用するためには,明示的な OPEN 文で,その装置番号用のファイルの数値書式を指定する必要があります。
この方法は OPTIONS 文とコンパイラ・オプション /convert:keyword の方法よりは優先されますが,環境変数を使用する方法よりは優先順位が低くなっています。
たとえば,次のソース・コードは,OPEN 文を使って装置 15 から書式なし VAXD 数値データを読み取る方法を示しています。これを処理し,装置 20 にネイティブ・リトル・エンディアン書式で書き出します (CONVERT キーワードまたは環境変数 FORT_CONVERT20,FORT_CONVERT.dat, または FORT_CONVERT_dat がないことから,装置 20 に対してネイティブ・リトル・エンディアン・データが使用されます)。
OPEN (CONVERT='VAXD', FILE='graph3.dat', FORM='UNFORMATTED', UNIT=15) . . . OPEN (FILE='graph3_t.dat', FORM='UNFORMATTED', UNIT=20)
OPEN 文の CONVERT キーワード値をハードコードすると,コンパイル後は変更することができません。特定の書式を実行時に選択できるようにするには,CONVERT キーワード値を変数とし,OPEN を行う前に,適切な書式を選択できるメニューをユーザーに対して表示します (メニューの選択項目によって変数を設定する)。また,OPEN 文の CONVERT キーワードの方法よりも優先される,環境変数を使用する方法の 1 つ (FORT_CONVERTn,FORT_CONVERT.ext,または FORT_CONVERT_ext) を使っても,実行時に特定の装置番号の書式を選択することができます。