バッチ・モード規則

バッチ・モードの推論規則は,N 個のコマンドを処理するために,推論規則を 1 回しか呼び出しません。バッチ・モードの推論規則がなければ,N 個のコマンドを呼び出さなければならないことになります。N は,推論規則をトリガする依存ファイルの数です。

バッチ・モードの推論規則を含んでいるメイクファイルは,NMAKE バージョン 1.62 以上を使用していなくてはなりません。NMAKE のバージョンを調べるには,NMAKE バージョン 1.62 以上に用意されている _NMAKE_VER マクロを実行します。このマクロは NMAKE のバージョンを表す整数を返します。たとえば,NMAKE バージョン 1.62 では,このマクロは 162 を返します。

次に,バッチ・モードの推論規則の構文を示します。

{frompath}.fromext{topath}.toext::
commands

標準の推論規則との唯一の文法上の違いは,バッチ・モードの推論規則が 2 つのコロン (::) で終わるということです。


注意:呼び出されるツールは複数のファイルを処理できなくてはなりません。バッチ・モードの推論規則は,依存ファイルにアクセスするマクロとして $< を使用しなくてはなりません。

バッチ・モードの推論規則はビルド・プロセスの速度を向上させることができます。コンパイラに複数のファイルをバッチで指定すれば,コンパイラ・ドライバは 1 回しか呼び出されないので,実行に要する時間が短縮されます。