DUMPBIN のオプション

オプションは,ダッシュ (-) または斜線 (/) のオプション指定子の後にオプション名を続けたもので構成されます。オプション名は短縮することはできません。一部のオプションは,コロン (:) の後に指定される引数を受け付けます。オプション指定中では空白やタブは使用できません。コマンド行上のオプション指定の区切りには,1 つ以上の空白またはタブを使用します。オプション名とそのキーワードまたはファイル名引数では大文字小文字は区別されません。大部分のオプションはすべての 2 進ファイルに適用されますが,一部のオプションは特定の形式のファイルにしか適用されません。

次表に DUMPBIN のオプションを示します。

オプション 説明
/ALL コードの逆アセンブリを除くすべての入手可能な情報を表示します。逆アセンブリを表示するには,/DISASM オプションを使用します。/RAWDATA:NONE/ALL オプションと組み合わせると,ファイルの生の 2 進情報を省略することができます。
/ARCHIVEMEMBERS ライブラリー中のメンバ・オブジェクトに関する最小限の情報を表示します。
/ARCH イメージの .arch セクションをダンプします。
/DEPENDENTS イメージの関数のインポート元である DLL の名前をダンプします。インポートされる関数の名前はダンプしません。
/DIRECTIVES コンパイラが生成した実行形式ファイルの .drective セクションをダンプします。
/DISASM コード・セクションの逆アセンブリを表示します。ファイル内にシンボルが存在する場合には,シンボルを使用します。
/EXPORTS 実行形式ファイルまたは DLL からエクスポートされたすべての定義を表示します。
/FPO Frame Pointer Optimization (FPO) 記録を表示します。
/HEADERS COFF ヘッダ情報を表示します。
/IMPORTS 実行形式ファイルまたは DLL にインポートされたすべての定義を表示します。出力は /EXPORTS オプションの出力と似ています。
/LINENUMBERS COFF の行番号を表示します。プログラム・データベース (/Zi) または行番号のみ (/Zd) を指定してコンパイルされたオブジェクト・ファイルには行番号が含まれています。また,デバッグ情報を生成 (/DEBUG) と COFF フォーマット (/DEBUGTYPE:COFF) を指定してリンクされた実行形式ファイルまたは DLL には COFF の行番号が含まれています。
/LINKERMEMBER /LINKERMEMBER[:{1|2}] オプションは,ライブラリー中に定義されている公開シンボルを表示します。引数 1 を指定すると,シンボルがそのオフセットとともにオブジェクトの順に表示されます。引数 2 を指定すると,オブジェクトのオフセットと索引番号が表示され,さらにシンボルがそれぞれのオブジェクト索引とともにアルファベット順に表示されます。両方の出力を得るには,数値の引数なしで /LINKERMEMBER を指定します。
/OUT /OUT:filename オプションは,出力先となるファイル名を指定します。基本設定では,DUMPBIN は情報を標準出力に表示します。
/PDATA イメージまたはオブジェクトの例外テーブル (.pdata) をダンプします。
/RAWDATA /RAWDATA[:{ BYTES | SHORTS | LONGS | NONE }[, number] ] オプションは,ファイル中の各セクションの生内容を表示します。引数は,次のように表示の書式を制御します。
引数 結果
BYTES 基本設定。内容は 16 進のバイトとして,また印字可能な表現を持っている場合には ASCII としても表示されます。
SHORTS 内容は 16 進のワードとして表示されます。
LONGS 内容は 16 進のロングワードとして表示されます。
NONE 生のデータの表示は禁止されます。これは /ALL オプションの出力を制御するのに便利です。
number 表示行の幅が,1 行に number 個の値を表示できる大きさに設定されます。
/RELOCATIONS オブジェクトまたは実行形式ファイル中の再配置を表示します。
/SECTION /SECTION:section オプションは,指定されたセクションに関する情報に出力を制限します。
/SUMMARY セクションに関して,大きさ合計を含む最小限の情報を表示します。このオプションは,他のオプションが指定されていない場合の基本オプションです。
/SYMBOLS COFF シンボル表を表示します。シンボル表はすべてのオブジェクト・ファイルに存在しています。COFF シンボル表が実行形式ファイルに含まれるのは,それがリンカーの「Debug」カテゴリの「Debug Info」にある「Generate Debug Info」および「COFF Format」オプションを指定してリンクされた場合に限られます (またはコマンド行の /DEBUG および /DEBUGTYPE:COFF オプション)。