PREP

PREP プログラムは,通常のプロファイル操作の過程で 2 回実行されます。フェーズ I では,.EXE ファイルを読み取り,.PBI および .PBT ファイルを作成します。フェーズ II では,.PBT および .PBO ファイルを読み取り,PLIST のための新しい .PBT ファイルを書き出します。次のオプション表の 'X' というマークは,その PREP コマンド行オプションが特定のフェーズに適用されることを示しています。

次に PREP の構文を示します。

PREP [options] [programname1] [programname2...programname8]

PREP はコマンド行を左から右に読み取っていくので,互いに矛盾するオプションが指定された場合,最も右側のオプションが左のオプションを置換します。いずれのオプションでも大文字小文字は区別されません。オプションの前には斜線 (/) または ダッシュ (-) を付けなくてはならず,個々のオプションは空白で区切る必要があります。

パラメタ 説明
options プロファイルの種類,プロファイルの対象とするコードと除外するコード,プロファイルをマージするかどうか,およびその他のプロファイル機能を制御します。「PREP オプション表」を参照してください。
programname1 プロファイルの対象とする主プログラムのファイル名 (.DBG.EXE,または .DLL)。PROFILE は,拡張子が指定されなければ,.EXE という拡張子を追加します。このパラメタは PREP の 1 番目の呼び出しで指定する必要があり,2 番目の呼び出しでは指定しません。
programname2
...
programname8
プロファイルの対象とする追加のプログラム。これらのパラメタは,PREP の 1 番目の呼び出しでしか指定できません。

PREP オプション表

オプション フェーズ 説明
I II
/AT X   関数のタイミングと関数のカウント用の属性データを収集します。関数属性は,どの関数が他の関数を呼び出したかを報告します。この表の /STACK を参照してください。
/CB X   関数のタイミングで使用されます。関数のタイミング呼び出しが,校正されたオーバーヘッド値の変化のために変化した場合に,プロファイラ呼び出しの校正されたオーバーヘッドを設定することができます。校正されたオーバーヘッドは,基本 (タブで区切られていない) PLIST 出力に表示されます。
/EXC X   プロファイルから指定されたモジュールを除外します (後述の「注意点」を参照)。
/EXCALL X   プロファイルからすべてのモジュールを除外します (後述の「注意点」を参照)。
/FC X   関数のカウント・プロファイルを選択します。
/FT X   関数のタイミング・プロファイルを選択します。このオプションを指定すると,プロファイラはカウント情報も生成します。
/FV X   関数の適用範囲プロファイルを選択します。
/INC X   プロファイルの対象とします (後述の「注意点」を参照)。
/H[ELP] X X PREP オプションの簡単な要約を表示します。
/IO filename   X 既存の .PBO ファイル (PROFILE が生成する PREP の 2 番目の呼び出しに渡されるファイル) をマージします。一度に 8 個までの .PBO ファイルをマージすることができます。基本拡張子は .PBO です。
/IT filename   X 既存の .PBT ファイル (2 番目の PREP の呼び出しが生成する PLIST に渡されるファイル) をマージします。一度に 8 個までの .PBT ファイルをマージすることができます。異なるプロファイル方式で生成された .PBT ファイルをマージすることはできません。基本拡張子は .PBT です。
/LC X   行カウント・プロファイルを選択します。
/LV X   行適用範囲プロファイルを選択します。
/M filename   X /IT/IO,および /OT オプションの代わりとして使用されます。
/NOLOGO X X PREP の著作権メッセージの表示を禁止します。
/OI filename X   .PBI ファイル (PREP の 1 番目の呼び出しが生成するファイル) を作成します。基本拡張子は .PBI です。/OI が指定されていなければ,出力の .PBI ファイルは programname1.PBI となります。
/OM X   関数のタイミング,関数のカウント,および関数の適用範囲用の,_XE または _LL 拡張子を持つ自己プロファイル・ファイルを作成します。このオプションがなければ,実行形式コードは .PBI ファイルに格納されます。このオプションはプロファイルを高速化します。
/OT filename X X 出力の .PBT ファイルを指定します。基本拡張子は .PBT です。/OT が指定されていなければ,出力の .PBT ファイルは programname1.PBT となります。
/SF function X   function からプロファイルを開始します。関数名は .MAP ファイル中のエントリに対応していなくてはなりません。
/STACK dpt X   /AT スイッチを使用するときには,関数の属性データを記録するときのスタックの深さ (dpt) も設定することができます。
/? X X PREP オプションの簡単な要約を表示します。

環境変数

PREP 環境変数は,基本 PREP コマンド行オプションを指定します。PREP 環境変数の値が指定されていない場合,PREP の基本オプションは次のようになります。

/FT /OI filename /OT filename

filenameprogramname1 パラメタの値に設定されます。

注意点

/INC および /EXC オプションは,個々の .LIB.OBJ.FOR,および .F90 ファイルを指定します。行カウントと行適用範囲では,ソース・ファイルの行番号を次のように指定することができます。

/EXCALL /INC TEST.F90(3-41,50-67)

この例では,/EXCALL オプションがプロファイルからすべてのモジュールを除外しますが,/INC オプションがこれを取り消して,ソース・ファイル TEST.F90 の 3 ~ 41 行目と 50 ~ 67 行目だけをプロファイルの対象とします。ソースの指定で空白が使われていないことに注意してください。

特定のモジュールの全ソース行を指定するには,次のように .OBJ ファイルを指定します。

/EXCALL /INC TEST.OBJ

または,次のようにソース・ファイル名を指定し,行番号としてゼロを指定します。

/EXCALL /INC TEST.F90(0-0)

次の文は,50 行目からファイルの終わりまでのプロファイルを行います。

/EXCALL /INC TEST.F90(50-0)