Fortran Console,Fortran QuickWin,および Fortran Standard Graphics アプリケーションに対して,基本例外および終了ハンドラはほとんどの要求を十分満たしています。「Visual Fortran アプリケーションの構造」で説明したように,Fortran DLL および Fortran Windows アプリケーションは基本ハンドラを持っていません。
基本例外および終了ハンドラが自分のすべての要求を満たしていない場合,自分独自のハンドラの提供を考慮します。これは,個々のアプリケーションで自問自答しなければなりません。幾つかの例を示します。
たとえば,アプリケーションの実行中にアプリケーションがいくつかのファイルを作成し,予期しないエラーや例外が発生した時に,それらをディスク上に残しておきたくない場合を仮定します。ファイルが DISPOSE='DELETE' で特別に開かれている場合,基本終了はファイルを閉じることのみを行います。しかし,通常の終了ではそれらを削除したくないと仮定します。予期しないイベントが発生した場合,制御を受け取り,必要に応じてそれらのファイルをクリーンアップします。
特定の状況 (たとえば,整数のゼロによる除算操作) からアプリケーションを復旧したい場合があります。その例外が発生した時に制御を得て,それを処理したい場合があります。
例が発生した時に,アプリケーション独自のエラー・メッセージを出力したい場合があります。
Visual Basic GUI の元で実行する Fortran DLL をビルドし,DLL 内で例外が発生した時に,DLL がアプリケーションをクラッシュさせたくない場合があります。
プログラムがグローバル・リソースを参照し,予期しないイベントが発生した時に,リソースを確認し,開放したい場合があります。
可能性の一覧には限りがありません。アプリケーション開発者のみが,自分の特別な要求に応じることができます。
アプリケーション用の独自のハンドラを実装する時,予期しないイベントを処理する方法に関するアイデアを「独自の例外/終了ハンドラを提供する方法」で説明しています。