レイヤーモデルの概念

インテル® マス・カーネル・ライブラリー (インテル® MKL) は、複数のコンパイラーとインターフェイス、異なる OpenMP* 実装、シリアルプログラムとマルチスレッド・プログラム、さまざまなプロセッサーをサポートするように構成されています。 概念的に、インテル® MKL は、異なるインターフェイス、スレッド化モデル、コア計算をサポートする部分に分割できます。


  1. インターフェイス・レイヤー
  2. スレッド化レイヤー
  3. 計算レイヤー

レイヤーごとに 1 つのライブラリーをリンクして、ニーズを満たすインテル® MKL ライブラリーを組み合わせることができます。いったんインターフェイス・ライブラリーが選択されると、スレッド化ライブラリーは選択されたインターフェイスを使用し、計算ライブラリーは最初の 2 つのレイヤーで選択されたインターフェイスと OpenMP 実装 (または非スレッドモード) を使用します。

異なるコンパイラーでスレッド化をサポートするには、インテル® MKL に含まれていないライブラリーを含む別のレイヤーが必要になります。

以下の表は、各レイヤーの詳細を示しています。

レイヤー

説明

インターフェイス・レイヤー

コンパイルされたアプリケーションのコードと、ライブラリーのスレッド化および計算部分を対応させます。このレイヤーは、以下のインターフェイスと手段を提供します。

  • LP64 および ILP64 インターフェイス。
  • 異なる関数値を返すコンパイラーとの互換性。
  • Cray* 形式の名前を使用するアプリケーションの単精度名と倍精度名のマッピング (SP2DP インターフェイス)。
    SP2DP インターフェイスは、インテル® 64 アーキテクチャー用の ILP64 インターフェイスを使用するアプリケーションで Cray 形式の名前をサポートしています。 SP2DP インターフェイスは、アプリケーションの単精度名 (実数型および複素数型) とインテル MKL BLAS/LAPACK の倍精度名のマッピングを提供します。例えば、BLAS 関数 ?GEMM
    の場合、関数名は以下のようにマップされます。

    SGEMM -> DGEMM
    DGEMM -> DGEMM
    CGEMM -> ZGEMM
    ZGEMM -> ZGEMM

    倍精度名は変更されません。

スレッド化レイヤー

このレイヤーは、以下の手段を提供します。

  • スレッド化されたインテル® MKL と異なるスレッド化コンパイラーのリンク。

  • ライブラリーのスレッドモードまたは逐次モードでのリンク。

このレイヤーは、異なる環境 (スレッド化または逐次) やコンパイラー (インテル® コンパイラー、GNU*、その他) 向けにコンパイルされます。

計算レイヤー

インテル® MKL の中心となる部分です。このレイヤーには、アーキテクチャーとサポートしている OS の組み合わせにつき 1 つのライブラリーのみ含まれます。計算レイヤーは、アーキテクチャーの機能を識別することで、実行時にさまざまなアーキテクチャー用に適切なバイナリーコードを選択します。

コンパイラー・サポート・ランタイム・ライブラリー (RTL)。

インテル® コンパイラーを使用してスレッド化を行うには、インテル® C++ Composer XE またはインテル® Fortran Composer XE のコンパイラーサポート RTL を使用します。 サードパーティーのスレッド化コンパイラーを使用してスレッド化を行うには、スレッド化レイヤーのライブラリーまたは適切な互換ライブラリーを使用します。

関連情報


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