インテル® MKL 11.3 ユーザーズガイド

環境変数を使用したベクトル・マス・ライブラリーのデフォルトモードの設定

インテル® MKL では、MKL_VML_MODE 環境変数を使用して、ベクトル・マス・ライブラリー (VML) グローバルモードのデフォルト設定をオーバーライドできます。

モードはさまざまな方法で設定または変更できるため、実際に使用されるモードは方法の優先順位により決まります。以下に、VML モードを設定または変更する設定および関数呼び出しを、優先順位の低いものから順にリストします。

  1. デフォルト設定
  2. MKL_VML_MODE 環境変数
  3. vmlSetMode 関数の呼び出し
  4. サービス関数以外の VML 関数の呼び出し

詳細は、『インテル® MKL リファレンス・マニュアル』の「ベクトル数学関数」セクションおよび vmlSetMode 関数の説明を参照してください。

MKL_VML_MODE 環境変数を設定するには、次のコマンドを使用します。

set MKL_VML_MODE=<mode-string>

このコマンドで、<mode-string> はエラー制御の動作と計算精度を制御します。次の表にリストされている mode パラメーターの値をカンマ区切りで指定します。

mode パラメーターの値
mode の値 説明
精度の制御
VML_HA VML 関数の高精度バージョン
VML_LA VML 関数の低精度バージョン
VML_EP VML 関数の拡張パフォーマンス精度バージョン
正規化されていない数の制御
VML_FTZDAZ_ON 正規化されていない入力の高速処理を有効にします。
VML_FTZDAZ_OFF 正規化されていない入力の高速処理を無効にします。
エラーモードの制御
VML_ERRMODE_IGNORE 計算エラー時に何も行いません。
VML_ERRMODE_STDERR エラー時にエラーテキスト情報を stderr に出力します。
VML_ERRMODE_EXCEPT エラー時に例外を発生させます。
VML_ERRMODE_CALLBACK エラー時に追加のエラー制御関数を呼び出します。
VML_ERRMODE_DEFAULT エラー時に例外を発生させて、追加のエラー制御関数を呼び出します。

次のコマンドは、MKL_VML_MODE 環境変数の有効な設定の例を示しています。

set MKL_VML_MODE=VML_LA,VML_ERRMODE_ERRNO,VML_ERRMODE_STDERR

mode の設定が正しくない場合、VML は MKL_VML_MODE 環境変数を無視します。