インテル® MKL 11.3 ユーザーズガイド

呼び出しの説明行

インテル® MKL の verbose モードでは、verbose 対応関数を呼び出すと説明行が出力されます。この行は、MKL_VERBOSE という文字列で始まり、スペースが区切り文字となります。 この行のその他の形式は、将来のリリースで変更される可能性があります。

次の表は、呼び出しの説明行に含まれる情報と、関連情報へのリンクを示します。

情報

説明

関連リンク

関数名

出力される名前は、アプリケーションのソースコードで使用されている名前と異なる場合がありますが (例えば、CBLAS 関数のプリフィクス cblas_ は出力されません)、その名前から簡単に関数を認識することができます。

 

引数の値

  • 仮引数リストの順に値がリストされます。関数名の直後に出力され、リストは括弧で囲まれ、値はカンマで区切られます。
  • 配列は (データのアライメントが分かるように) アドレスで表されます。
  • 参照渡しの整数スカラー・パラメーターは値で表されます。NULL 参照はゼロ値で表されます。
  • 文字は引用符なしで表されます。
  • 参照渡しのパラメーターの値はすべて関数の戻り値で表されます。 例えば、LAPACK 関数の info パラメーターの場合、関数実行後の値が出力されます。
 

関数の実行時間

  • 実行時間は、適切な単位 (秒、ミリ秒など) で出力されます。

  • 実行時間は、実行ごとに変動する可能性があります。

  • また、問題サイズが小さい場合や、マルチソケット・マシンでは、実際に関数呼び出しに費やされた時間よりも大きくなることがあります。 この影響を軽減するには、アフィニティー・マスクを設定して、インテル® MKL を呼び出すスレッドと CPU コアをバインドします。

マルチコア・パフォーマンスの管理 (アフィニティー・マスクを設定するためのオプション)

MKL_CBWR 環境変数の値

出力される値には、プリフィクス CNR: が付いています。

条件付き数値再現性用の設定

MKL_DYNAMIC 環境変数の値

出力される値には、プリフィクス Dyn: が付いています。

MKL_DYNAMIC

インテル® MKL メモリー・マネージャーのステータス

出力される値には、プリフィクス FastMM: が付いています。

インテル® MKL におけるメモリーリークの回避 (インテル® MKL のメモリー・マネージャーの説明)

呼び出しスレッドの OpenMP* スレッド番号

出力される値には、プリフィクス TID: が付いています。

 

全般的なスレッド数とドメイン固有のスレッド数を定義するカンマ区切りのインテル® MKL 環境変数の値

出力される最初の値には、プリフィクス NThr: が付いています。

スレッド化コントロール用のインテル® MKL 固有の環境変数

MKL_HOST_WORKDIVISION 環境変数の値

出力される値には、プリフィクス WDiv:HOST: が付いています。

自動オフロードの制御

システムで利用可能なインテル® Xeon Phi™ コプロセッサーごとの MKL_MIC_<number>_WORKDIVISION 環境変数の値 (<number> はコプロセッサーの番号)

出力される最初の値には、プリフィクス WDiv:<number>: が付いています。

自動オフロードの制御

以下は、呼び出しの説明行の出力例です。

MKL_VERBOSE DGEMM(n,n,1000,1000,240,0x7ffff708bb30,0x7ff2aea4c000,1000,0x7ff28e92b000,240,0x7ffff708bb38,0x7ff28e08d000,1000) 1.66ms CNR:OFF Dyn:1 FastMM:1 TID:0 NThr:16,FFT:2 WDiv:HOST:-1.000 WDiv:0:-1.000 WDiv:1:-1.000

インテル® MKL の verbose モードの制限により、以下の情報は出力されません。