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インテル® MKL 2017 デベロッパー・ガイド

インテル® MKL クラスター・ソフトウェアとのリンク

インテル® MKL ScaLAPACK、クラスター FFT、およびクラスター・スパース・ソルバーは、『インテル® MKL リリースノート』に記述されている MPI 実装をサポートしています。

ScaLAPACK、クラスター FFT、またはクラスター・スパース・ソルバーを呼び出すプログラムをリンクするには、まずメッセージ・パッシング・インターフェイス (MPI) アプリケーションのリンク方法を知っておく必要があります。

mpi スクリプトを使用します。例えば、mpicc または mpif77 はそれぞれ、正しい MPI ヘッダーを使用する C または FORTRAN 77 スクリプトです。これらのスクリプトと MPI ライブラリーの場所は、利用している MPI 実装に依存します。例えば、MPICH3 のデフォルト・インストールの場合、/opt/mpich/bin/mpicc および /opt/mpich/bin/mpif90 がコンパイラー・スクリプトで、/opt/mpich/lib/libmpi.a が MPI ライブラリーです。

実装固有のリンクの詳細については、利用している MPI 実装のドキュメントを確認してください。

ScaLAPACK、クラスター FFT、およびクラスター・スパース・ソルバーとリンクするには、以下の一般的な形式を使用します。

<MPI リンカースクリプト> <リンクするファイル>                          \

-L <MKL パス> [-Wl,--start-group] [<MKL クラスター・ライブラリー>]        \

<BLACS> <MKL コア・ライブラリー> [-Wl,--end-group]

プレースホルダーは、以下の表で説明されているパスとライブラリーを表します。

<MKL クラスター・ライブラリー>

ScaLAPACK またはクラスター FFT および該当アーキテクチャーとプログラミング・インターフェイス (LP64 または IPL64) 用ライブラリーのいずれか 1 つです。利用可能なライブラリーは、「付録 C: 詳細なディレクトリー構造」にリストされています。例えば、LP64 インターフェイスの場合、-lmkl_scalapack_lp64 または -lmkl_cdft_core を利用できます。クラスター・スパース・ソルバーでは、追加の計算ライブラリーは必要ありません。

<BLACS>

使用するアーキテクチャー、プログラミング・インターフェイス (LP64 または IPL64)、および MPI に対応する BLACS ライブラリーです。利用可能な BLACS ライブラリーは、「付録 C: 詳細なディレクトリー構造」にリストされています。-lmkl_blacs_intelmpi_lp64 または -lmkl_blacs_intelmpi_ilp64 のいずれかを選択します。

<MKL コア・ライブラリー>

「リンク行のライブラリーのリスト」に記述されているように、スレッド化をサポートするためにリンクされる、プロセッサー最適化カーネル、スレッド化ライブラリー、およびシステム・ライブラリーです。

<MPI リンカースクリプト>

MPI バージョンに対応するリンカースクリプトです。

例えば、インテル® MPI で LP64 インターフェイスを使用して ScaLAPACK とスタティックにリンクし、コアあたりの MPI プロセスが 1 つの場合 (つまり、スレッド化を行わない場合)、次のリンカーオプションを指定します。

-L$MKLPATH -I$MKLINCLUDE -Wl,--start-group $MKLPATH/libmkl_scalapack_lp64.a $MKLPATH/libmkl_blacs_intelmpi_lp64.a $MKLPATH/libmkl_intel_lp64.a $MKLPATH/libmkl_sequential.a $MKLPATH/libmkl_core.a -static_mpi -Wl,--end-group -lpthread -lm

スタティック・リンクの場合は、グループ化シンボル -Wl,--start-group および -Wl,--end-group が必要です。

ヒント

リンクライン・アドバイザーを使用して、<MKL クラスター・ライブラリー><BLACS>、および <MKL コア・ライブラリー> の適切なセットを選択します。

最適化に関する注意事項

インテル® コンパイラーでは、インテル® マイクロプロセッサーに限定されない最適化に関して、他社製マイクロプロセッサー用に同等の最適化を行えないことがあります。これには、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 2、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 3、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 3 補足命令などの最適化が該当します。インテルは、他社製マイクロプロセッサーに関して、いかなる最適化の利用、機能、または効果も保証いたしません。本製品のマイクロプロセッサー依存の最適化は、インテル® マイクロプロセッサーでの使用を前提としています。インテル® マイクロアーキテクチャーに限定されない最適化のなかにも、インテル® マイクロプロセッサー用のものがあります。この注意事項で言及した命令セットの詳細については、該当する製品のユーザー・リファレンス・ガイドを参照してください。

注意事項の改訂 #20110804

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