インテル® Fortran コンパイラー 18.0 デベロッパー・ガイドおよびリファレンス
言語標準は、その言語で表現されたプログラムの形式を指定し、その解釈を決定します。その主な目的は、ベンダーとユーザー間において、多様なシステムにわたるプログラムの移植性を促進することです。
これまで、ベンダーとユーザーのコミュニティーは、一連の主要な Fortran 言語標準を採用してきました。これらの標準を開発し、公表してきた主な組織は INCITS (情報技術規格国際委員会) と ISO (国際標準化機構) です。
次に、Fortran 言語の主な標準を示します。
Fortran 2015 暫定版
Fortran 標準委員会は、Fortran 2008 の改訂 (仮称: Fortran 2015) に取り組んでいます。Fortran 2015 暫定版では、型引き継ぎ配列とランク引き継ぎ配列、C 記述子、RANK 組込み関数を含む C 言語との互換性保持サポートが強化されています。
Fortran 2008
American National Standard Programming Language Fortran および International Standards Organization, ISO/IEC 1539-1:2010, Information technology -- Programming languages -- Fortran。この標準には、サブモジュールと Co-Array のサポート、DO CONCURRENT 構文のようなさまざまなパフォーマンスの強化機能が含まれます。Fortran 2008 の機能については、「Language Reference」(英語) を参照してください。
Fortran 2003
American National Standard Programming Language Fortran および International Standards Organization, ISO/IEC 1539-1: 2004, Information technology -- Programming languages -- Fortran。この標準には、浮動小数点例外処理、オブジェクト指向プログラミング、強化された C 言語との互換性保持の拡張サポートが含まれます。Fortran 2003 の機能については、「Language Reference」(英語) を参照してください。
Fortran 95
American National Standard Programming Language Fortran および International Standards Organization, ISO/IEC 1539-1: 1997(E), Information technology -- Programming languages -- Fortran。この標準は、Fortran 90 にいくつかの言語要素と訂正事項を追加したものです。Fortran 95 は、Fortran 90 と FORTRAN 77 の大部分の機能を含んでいます。Fortran 95 と Fortran 90 の違いについては、「Language Reference」(英語) を参照してください。
Fortran 90
American National Standard Programming Language Fortran, ANSI X3.198-1992 および International Standards Organization, ISO/IEC 1539: 1991, Information technology -- Programming languages -- Fortran。この標準は、新しい技術を導入することで、この言語を現代化することに重点を置いています。Fortran 90 と FORTRAN 77 の違いについては、「Language Reference」(英語) を参照してください。
FORTRAN 77
American National Standard Programming Language FORTRAN, ANSI X3.9-1978。この標準では、ベンダーによる FORTRAN IV の拡張に基づいた新しい機能が追加され、制御構造の改善など、大規模プロジェクトに関連する問題への対処が行われました。
FORTRAN IV
American National Standard Programming Language FORTRAN, ANSI X3.9-1966。これは、多数のベンダーが FORTRAN と呼んでいた言語を標準化しようとする最初の試みでした。
言語標準は、形式および解釈を一意に定義することを追求するものですが、1 つの標準では解釈の全分野をカバーできない場合があります。また、明確ではない点がいくつか含まれていることもあります。移植性のあるプログラムを作成する場合、このような点に注意して、慎重にプログラミングを行う必要があります。