ABS

要素別処理組込み関数 (総称):絶対値を計算します。

形式

result = ABS (a)

a
(入力) 整数型,実数型または複素数型。

結果

a が整数値または実数値ならば,結果の値は | a | です。a が複素数値 (X, Y) ならば,結果は実数値 SQRT(X**2 + Y**2) です。

個別名 引数の型 結果の型
  INTEGER(1) INTEGER(1)
IIABS INTEGER(2) INTEGER(2)
IABS 1 INTEGER(4) INTEGER(4)
KIABS INTEGER(8) INTEGER(8)
ABS REAL(4) REAL(4)
DABS REAL(8) REAL(8)
QABS 2 REAL(16) REAL(16)
CABS 3 COMPLEX(4) REAL(4)
CDABS 4 COMPLEX(8) REAL(8)
CQABS 2 COMPLEX(16) REAL(16)
1 または JIABS。古いバージョンの Fortran との互換性を保つために,IABS は総称関数としても宣言できるようになっています。
2 VMS と U*X
3 実数の大きさを指定するコンパイラ・オプション /real_size の設定は CABS に影響を与えることがあります。
4 この関数は ZABS として宣言することもできます。

互換性

CONSOLE STANDARD GRAPHICS QUICKWIN GRAPHICS WINDOWS DLL LIB

ABS (-7.4) の値は 7.4 です。

ABS ((6.0, 8.0)) の値は 10.0 です。

以下の ABS.F90 プログラムは,符号を保ったまま 2 つの平方根を計算します。

	REAL mag(2), sgn(2), result(2)
	WRITE (*, '(A)') ' Enter two signed magnitudes: '
	READ (*, *) mag
	sgn = SIGN((/1.0, 1.0/), mag)	! 符号を 1.0 に変更
	result = SQRT (ABS (mag))
	! -1 または +1 を掛けることで符号を元に戻します
	result = result * sgn
	WRITE (*, *) result
	END