キーワードは,文の構文の一部 (文キーワード) または,仮引数の名前 (引数キーワード) のどちらかです。文キーワードの例は,WRITE,INTEGER,DO,OPEN です。引数キーワードの例は,組込み関数への引数です。
たとえば,組込み関数 UNPACK (VECTOR, MASK, FIELD) では,VECTOR,MASK,FIELD が引数キーワードです。これらは,仮引数名であり,各変数はそれぞれの場所で置き換えられます。仮引数名と実引数名は,「プログラム単位と手続」で説明しています。
キーワードは,予約されていません。コンパイラは,文脈としてキーワードを認識します。たとえば,プログラムが配列に IF,read,Goto という名前をつけることもできます (これは,プログラミングのよい手本とはいえませんが)。唯一の例外は,キーワード PARAMETER です。代入文で PARAMETER で始まる変数名を使用する場合,コンパイラ・オプション /altparam を使わなければなりません。
変数としてキーワード名を使用すると,プログラムを読みにくく,理解しがたくします。読みやすく,バグの発見を簡単にするためには,Fortran 文の一部と見間違えるような名前の使用は避けるべきです。キーワードが認識される場所での文脈の作成ルールは,「プログラム単位と手続」で説明しています。
引数キーワードは,Fortran 90 の機能で,組込み手続を呼び出す時に仮引数名を指定したり,インタフェース (明示的,暗黙的のどちらでも) が定義されているどの場所でも仮引数名を指定することができます。引数キーワードを使用することによって,プログラムが読みやすく,理解しやすくなります。これについては,「プログラム単位と手続」で詳しく説明しています。