記録とは,値の列または文字の列です。Fortran 記録には,以下に示す 3 つの種類があります。
内部形式から外部形式への変換を必要とする書式付きデータを含んでいる記録。書式付き I/O 文は,明示的書式指定子 (並び書式を指定できる),または変数群指定子 (変数群書式のための) を持ちます。書式付きデータを読み取れるのは書式付き I/O 文だけです。
内部形式から変換されない書式なしデータを含んでいる記録。書式なし記録はデータを含まないこともあります。書式なしデータの内部表現はプロセッサー依存です。書式なしデータを読み取れるのは書式なし I/O 文だけです。
ファイルの最後の記録。ファイル終了記録は,ENDFILE 文によって,順編成ファイルに明示的に書き込むことができます。
ファイルは記録の列です。Fortran ファイルには,次の 2 つの種類があります。
実行形式プログラムの外部の媒体 (コンピュータ・ディスクやターミナルなど) に存在しているファイル。
外部ファイル中の記録は,すべて書式付きか書式なしのどちらかでなくてはなりません。外部ファイル中の記録を探査する方法には,順番探査,キー探査 (VMS のみ),および直接探査の 3 つがあります。
順番探査では,記録はファイルに現れる順序で処理されます。直接探査では,記録は記録番号によって選択されるので,任意の順序で処理することができます。キー探査では,記録はキー欄の値によって処理されます。
ファイルのように振る舞うメモリー (内部記憶域)。この種のファイルを使うと,メモリー内のデータを転送したり,異なる形式に変換することができます。これらのファイル記録はスカラ文字変数として格納されます。
関連情報
書式付きおよび書式なしデータ転送と外部ファイル探査方式の詳細については,プログラマーズ・ガイドを参照してください。