F 形編集記述子は実数値を転送します。これは次の形式を取ります。
Fw.d
d の値 (小数点の後のけた数) は,w の値 (欄幅) を超えてはなりません。
指定された I/O 並び項目は,実数型であるか,複素数型の実部または虚部でなくてはなりません。
入力処理の規則
入力時に F 形編集記述子は,外部欄から w 個の文字を転送し,対応する I/O 並び項目にその実数値を代入します。外部欄データは,整数または実数の定数でなくてはなりません。
入力欄が指数文字または小数点しか含んでいない場合,ゼロの値として扱われます。
入力欄が小数点も指数も含んでいない場合,小数点の右に d けたを持つ,w けたの実数として扱われます (必要に応じて先頭のゼロが追加されます)。
入力欄が小数点を含んでいる場合,その小数点の位置が F 形編集記述子によって指定された位置よりも優先されます。
欄が指数を含んでいる場合,並び要素に代入される前にその指数を使って値の大きさが決定されます。
次に,F 形編集記述子を使った入力の例を示します。
書式 入力 値 F8.5 123456789 123.45678 F8.5 -1234.567 -1234.56 F8.5 24.77E+2 2477.0 F5.2 1234567.89 123.45
出力処理の規則
出力時に F 形編集記述子は,右詰めされ小数点以下 d けたに丸められた対応する I/O 並び項目の実数値を,w 文字の長さの外部欄に転送します。
w は,以下のものを収容できるように,d + 3 以上の値でなくてはなりません。
符号 (値が正で,SP 形編集記述子が有効になっていない場合には省略可能)
小数点の左側に少なくとも 1 けた
小数点
小数点の右側に d けた
次に,F 形編集記述子を使った出力の例を示します ('^' は,空白文字を表しています)。
書式 値 出力 F8.5 2.3547188 ^2.35472 F9.3 8789.7361 ^8789.736 F2.1 51.44 ** F10.4 -23.24352 ^^-23.2435 F5.2 325.013 ****** F5.2 -.2 -0.20
関連情報
データ編集記述子の形式については,「データ編集記述子の形式」を参照してください。
数値編集の一般的な規則については,「数値編集の一般的な規則」を参照してください。