プロジェクト・タイプの選択

新しいプロジェクトを作成するときには,適切な Fortran プロジェクト・タイプを選択する必要があります。ビルドできる実行形式ファイルには,次の 4 種類があります。

さらに,主アプリケーションから呼び出される副プログラム (関数またはサブルーチン) を含んでいるライブラリー・プロジェクトを作成することができます。

ある種類のアプリケーションで動作するコードが,他のアプリケーションでは動作しないことがあります。たとえば,グラフィックス呼び出しは Fortran Console アプリケーションでは使用できません。

Fortran Console アプリケーションは,テキストのみであり,グラフィックスをサポートしないため,他のシステムへの可搬性が最も高くなります。

Fortran Standard Graphics アプリケーション (QuickWin 単一文書) では,典型的な Windows 用プログラムにあるメニューやその他のインタフェース機能を使用することなく,テキストにグラフィックスを追加することができます。Fortran QuickWin アプリケーション (QuickWin 複数文書) は,グラフィックス付きの Visual Fortran プログラム中で,Windows のいくつかの機能を利用する簡単な手段を提供します。

Fortran Windows アプリケーションでは,Win32 アプリケーション・プログラミング・インタフェース (API) を完全に参照することができ,QuickWin よりも多くの機能を利用することができます。Windows アプリケーションでは,下位システム・サービスを直接参照したり,OpenGL などの上位システム・サービスを参照することができます。

Visual Fortran グラフィックス関数は,OpenGL ライブラリーのものを除いて,他のベンダが提供しているオペレーティング・システムへの直接の可搬性は持っていません。しかし,グラフィカル・インタフェースには,アプリケーションの設計者とプログラムを使用するユーザーにとっていくつかの利点があります。どの種類のプログラムをビルドするかは,性能,可搬性,コーディングのしやすさ,および使いやすさのトレードオフによって決められます。後の節では,各形式のアプリケーションの長所と短所を要約して示しています。

4 つの種類の主アプリケーションは,いずれもウィンドウ内に表示したときに最大化,最小化,大きさの変更,および画面上を移動することができます。アプリケーション内のウィンドウの描画領域が,それを表示しているウィンドウよりも大きい場合,ウィンドウの下端と右端にスクロールバーが自動的に追加されます。

どのアプリケーションも,プログラムの 1 つのセクションが実行を完了する前に,別のセクションが実行を開始するような形で書くことができます。これらの実行スレッドは,1 つのプロセッサーを搭載しているコンピュータでは並行して,また複数のプロセッサーを搭載しているコンピュータでは同時に実行されます (「マルチスレッド・アプリケーションの作成」を参照)。

Visual Fortran アプリケーションのプロジェクト・タイプについての詳細は,「プロジェクト・タイプ」を参照してください。