複数のプロジェクトで同じソース・コードを使用するときに生じる混乱を避ける 1 つの方法は,ルーチンをモジュール単位に整理するというものです。Visual Fortran では,モジュールには主に 2 つの用途があります。
1 つの複雑なプログラムを多数のモジュールから構成することができます。各モジュールは,プログラムが行う作業の 1 つに必要なすべての手続とデータを含んでいる自己完結的な要素にすることができます。作業がカプセル化されていると,2 つの異なるプロジェクト間でコードを共有するのが簡単になります。
この場合には,すべてのモジュールを主プロジェクト・ディレクトリに入れることをお勧めします。複数のプロジェクトが同じモジュールを共有する場合,モジュールは 1 つのディレクトリにのみ格納しておきます。そして,そのモジュールを使用するすべてのプロジェクトが,/I コンパイラ・オプションを指定して,モジュールの場所を指定するようにします。
外部ソースから提供されたモジュールを使用する場合,コンパイル時には .MOD ファイルだけが必要で,リンク時に .OBJ ファイルが必要となります。/[no]include[path] (または /Ipath) コマンド行オプション (または INCLUDE 環境変数) を使って,これらのファイルの場所を指定してください。これらのファイルは,おそらくプロジェクト・ディレクトリとは違う場所に格納されているはずです。
プロジェクトのビルドの際に,コンパイラはプロジェクト・ファイルを走査して,依存関係を探します。/[no]include[path] (または /Ipath) コマンド行オプションか INCLUDE 環境変数が指定されていれば,コンパイラは外部モジュールを発見することができます。
コンパイル後の拡張子 .MOD を持つモジュール・ファイルは,パスに含まれるディレクトリに格納してください。コンパイラは,プログラム中に USE 文を見つけると,USE 文で指定された名前に基づいてモジュールを探すので,同じソースまたはオブジェクト・コードの複数のコピーを持っておく必要はありません。
モジュールはプログラムを整理するためのきわめて便利な手段です。プログラマは次のようなモジュールを設定することができます。
よく使われるルーチン
特定のオペレーティング・システムに固有のデータ定義
システム依存の言語拡張