言語が混在したプログラミングとは,ソース・コードが複数の言語で書かれているプログラムをビルドするプロセスのことです。これにより,次のようなことが可能となります。
別の言語で書かれている既存のコードを呼び出す。
特定の言語では実装が難しい手続を使用する。
処理速度を向上させる。
言語が混在したプログラミングは,32 ビット言語の Visual Fortran,Visual C/C++,Visual Basic,および MASM の間で行うことができます。Win32 における言語が混在したプログラミングは,16 ビット環境のそれとは異なり,多くの点でより簡単になっています。
言語が混在したプログラムを正しく作成するためには,変数と手続の命名,スタックの使用,および異なる言語で書かれたルーチン間での引数渡しに関する規則を確立しなくてはなりません。これらの規則全体のことを呼び出し規約といいます。
呼び出し規約には次の事柄が含まれます。
ルーチンが受け取る引数の数は可変なのか固定されているのか?
どのルーチンが呼び出し後にスタックをクリアするのか?
小文字と大文字には意味があるのかないのか?
名前は (Visual C++ のように) 修飾されるのか?
引数は値による渡しと参照による渡しのどちらで渡されるのか?
言語間で等価なデータ型やデータ構造としては,どのようなものがあるのか?
この章では,Fortran,C,Visual C++,Visual Basic,および機械語でルーチンを作成するときの呼び出し規約に関する情報を提供します。この章は次のトピックから構成されています。