コンパイラ・オプション /convert を使用する方法

コンパイラ・オプション /convert の方法では,前述の方法の 1 つ (または両方) を併用しない限り,すべての書式なしファイル装置番号に対して 1 つの数値書式しか指定することができません。数値書式はコンパイル時に指定しなければならず,すべてのルーチンを,ビジュアル開発環境の「Fortran」タブの「Compatibility」カテゴリに一覧表示されている同じ /convert:keyword コンパイラ・オプションでコンパイルする必要があります。同じソース・プログラムを使い,異なる DF コマンドで (またはビジュアル開発環境での等価なオプションを使って) コンパイルすることで,それぞれ特定の書式を読み取る複数の実行形式プログラムを作成することができます。

他の方法を指定すると,そちらの方がこの方法よりも優先されます。たとえば,環境変数または OPEN 文の CONVERT キーワードを使用する方法を使って,DF /convert:keyword コンパイラ・オプションの方法で指定した書式とは異なる書式を使用する個々の装置番号を指定することができます。それ以外の装置番号では,DF /convert:keyword コンパイラ・オプションの方法で指定した書式が使用されます。

たとえば,次のコマンドは,プログラム file.for を,(他の方法の 1 つが指定されていない限り) すべての装置番号で VAX D 浮動小数点 (および F 浮動小数点) データを使用するようにコンパイルします。データは,ファイル書式とリトル・エンディアン・メモリー書式 (リトル・エンディアン整数,S 浮動小数点および T 浮動小数点リトル・エンディアン IEEE 浮動小数点書式) の間で変換されます。作成された vconvert.exe ファイルは,次のように実行することができます。

	DF file.for /convert:vaxd /link /out:vconvert.exe

この方法はすべての書式なしファイル装置番号に影響を与えるので,/convert:keyword コンパイラ・オプションの方法だけでは,1 つの書式でデータを読み取り,別のファイル書式で書き出すことはできません。環境変数の方法か OPEN 文の CONVERT キーワードの方法を併用すれば,特定の装置番号に対して別の書式を指定することができます。