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インテル® DAAL 2017 デベロッパー・ガイド

パフォーマンスに関する考察

PCA アルゴリズムで最高のパフォーマンスを得るには、以下の操作を行います。

相関メソッドを使用した PCA 計算は、相関行列と分散共分散行列アルゴリズムを含みます。このアルゴリズムのメソッドに応じて、PCA 計算のパフォーマンスは異なります。疎データセットには、このアルゴリズムのメソッドを疎データに使用します。相関行列と分散共分散行列アルゴリズムの利用可能なメソッドは次のとおりです。

バッチ処理

バッチ処理モードの PCA は入力 ID として渡された data の正規化を行うため、最高のパフォーマンスを得るには、入力データセットを正規化します。データが正規化されていることをアルゴリズムに知らせるには、NumericTableIface クラスの setNormalizationFlag() メソッドを呼び出して、データセットを表す入力数値テーブルに正規化フラグをセットします。

バッチ処理モードの PCA 相関メソッド (defaultDense) は相関行列の計算に基づくため、最高のパフォーマンスを得るには、相関行列を事前に計算します。事前に計算された相関行列をアルゴリズムに渡すには、入力 ID として correlation を使用します。

オンライン処理

オンライン処理モードの PCA SVD メソッド (svdDense) は、少なくともバッチ処理モードと同程度に計算が複雑であり、compute() メソッドの呼び出し間で補助データを格納するためにメモリー要件が高くなります。その一方で、PCA SVD メソッドのオンラインバージョンは、遅いデータソースからのデータ読み取りのレイテンシーを隠蔽できます。このためには、現在のブロックの compute() メソッドと並列に次のデータブロックのロード・プリフェッチを行います。

分散処理

分散処理モードで PCA SVD メソッド (svdDense) を使用するには、マスターノードでローカルノードの p x p 数値テーブルを集約する必要があります。ローカルノードの作業量が少ない場合 (つまり、ローカルノードのデータセットが小さい場合)、ネットワーク・データ転送がボトルネックになります。この状況を回避するには、ローカルノードに十分な作業量があることを確認します。例えば、入力データセットを少数のノードに分散します。

最適化に関する注意事項

インテル® コンパイラーでは、インテル® マイクロプロセッサーに限定されない最適化に関して、他社製マイクロプロセッサー用に同等の最適化を行えないことがあります。これには、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 2、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 3、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 3 補足命令などの最適化が該当します。インテルは、他社製マイクロプロセッサーに関して、いかなる最適化の利用、機能、または効果も保証いたしません。本製品のマイクロプロセッサー依存の最適化は、インテル® マイクロプロセッサーでの使用を前提としています。インテル® マイクロアーキテクチャーに限定されない最適化のなかにも、インテル® マイクロプロセッサー用のものがあります。この注意事項で言及した命令セットの詳細については、該当する製品のユーザー・リファレンス・ガイドを参照してください。

注意事項の改訂 #20110804