インテル® MKL 11.3 ユーザーズガイド

インテル® Xeon Phi™ コプロセッサー上でネイティブモードでインテル® MKL を実行する

アプリケーションによっては、インテル® Xeon Phi™ コプロセッサー上でネイティブモードで実行することでパフォーマンスが向上します。このモードでは、アプリケーションは、ホストシステムからオフロードされるのではなく、Linux* オペレーティング・システムを実行するコプロセッサー上で直接実行されます。インテル® MIC アーキテクチャー上でネイティブモードで実行するには、アプリケーションのソースコードを多少変更する必要があります。

ネイティブモードでは、コードはコプロセッサー上でのみ実行されるため、ネイティブ実行用に生成されるバイナリーにはコプロセッサー上で実行するコードのみが含まれます。インテル® コンパイラーは、ネイティブモードで実行するアプリケーションのビルドをサポートする、特別なコンパイラー・オプションを提供します。

インテル® MKL を呼び出すアプリケーションをビルドし、コプロセッサーでネイティブに実行するには、以下の操作を行います。

  1. ホストシステムで、/Qmic オプションを使用してアプリケーションをコンパイルしてビルドします。

  2. 作成した実行ファイルと実行に必要なすべての依存関係をコプロセッサーに転送します。

    • インテル® MKL ライブラリーは、<mkl ディレクトリー>\lib\intel64_win_mic ディレクトリーにあります。
    • libiomp5.so は、<親製品のディレクトリー>\compiler\lib\intel64_win_mic ディレクトリーにあります。
  3. または Telnet プロトコルを使用して、ステップ 2 で転送したダイナミック・ライブラリーのパスを追加し、LD_LIBRARY_PATH 環境変数の値を設定します。

  4. スレッド・ランタイム・ライブラリーを使用してスレッド数およびスレッド・アフィニティーを設定します。

  5. 標準の Linux* システムで実行する場合と同様に、アプリケーションを実行します。

詳細は、インテル® ソフトウェア・ドキュメント・ライブラリー (英語) にある『Intel® Compiler User and Reference Guides』を参照してください。

最適化に関する注意事項

インテル® コンパイラーは、互換マイクロプロセッサー向けには、インテル製マイクロプロセッサー向けと同等レベルの最適化が行われない可能性があります。これには、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 2 (インテル® SSE2)、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 3 (インテル® SSE3)、ストリーミング SIMD 拡張命令 3 補足命令 (SSSE3) 命令セットに関連する最適化およびその他の最適化が含まれます。インテルでは、インテル製ではないマイクロプロセッサーに対して、最適化の提供、機能、効果を保証していません。本製品のマイクロプロセッサー固有の最適化は、インテル製マイクロプロセッサーでの使用を目的としています。インテル® マイクロアーキテクチャーに非固有の特定の最適化は、インテル製マイクロプロセッサー向けに予約されています。この注意事項の適用対象である特定の命令セットの詳細は、該当する製品のユーザー・リファレンス・ガイドを参照してください。

改訂 #20110804

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