インテル® Xeon Phi™ コプロセッサーでのインテル® MKL の使用

インテル® MKL には、インテル® メニー・インテグレーテッド・コア (インテル® MIC) アーキテクチャーをサポートする 2 セットのライブラリーが用意されています。

• Windows* オペレーティング・システムを実行するインテル® 64 (または互換) アーキテクチャー・ベースのホスト・コンピューター用
• インテル® Xeon Phi™ コプロセッサー用

インテル® MKL がインテル® Xeon Phi™ コプロセッサーに計算をオフロードする方法を制御することができます。オフロード計算を自動的に行うか、コンパイラーによるオフロード支援を使用します。

• 自動オフロード

  インテル® 64 (または互換) アーキテクチャー・システムで Windows* を実行している場合、インテル® MIC アーキテクチャー・ベースのコプロセッサーの存在を自動的に検出して、別途計算リソースを利用するメリットがあるオフロード計算を自動的に行います。 このモデルは、プログラムに最小限の変更を加えるだけで、インテル® MKL ルーチンを呼び出すことができます。自動オフロードを有効にするための変更は、環境変数を設定するか、あるいは関数を 1 つ呼び出すだけです。詳細は、「自動オフロード」を参照してください。

• コンパイラーによるオフロード支援

  このモデルは、インテル® コンパイラーと offload プラグマを利用して、コプロセッサーにオフロードされる関数とデータを管理します。オフロード領域内では、オフロードされるインテル® MKL 関数の入力データと出力データの両方を指定します。インテル® MIC アーキテクチャー用のインテル® MKL ライブラリーをリンクした後、コンパイラーが提供するランライム・ライブラリーにより、関数とデータをコプロセッサーに転送して、計算を実行します。詳細は、「コンパイラーによるオフロード支援」を参照してください。

コプロセッサーへの計算のオフロードに加えて、コプロセッサー上でネイティブに実行するアプリケーションからインテル® MKL 関数を呼び出すことができます。アプリケーション全体をインテル® MIC アーキテクチャー上で実行している状態をネイティブモードと呼びます。ネイティブモードは、ソースコードに最小限の変更を加えるだけで、インテル® MIC アーキテクチャー上で既存のアプリケーションを実行する最も速い方法です。詳細は、「インテル® Xeon Phi™ コプロセッサー上でネイティブモードでインテル® MKL を実行する」を参照してください。

インテル® MKL の ScaLAPACK およびクラスター FFT は、インテル® MPI ライブラリーにより提供される別の使用モデルも利用できます。インテル® MPI ライブラリーは、個々のインテル® Xeon Phi™ コプロセッサーを、インテル® Xeon® プロセッサーとインテル® Xeon Phi™ コプロセッサーの通常のクラスターノードのように扱います。コプロセッサーでアプリケーションを実行するには、コプロセッサーで MPI ランクを指定し、インテル® MIC アーキテクチャー向けにアプリケーションをビルドして、ビルドした実行ファイルをホストまたはコプロセッサーから起動します。コプロセッサーでの MPI の使用に関する詳細は、インテル® ソフトウェア・ドキュメント・ライブラリー (英語) にあるインテル® MPI ライブラリーのドキュメントを参照してください。インテル® MKL を使用する MPI アプリケーションのビルドの詳細については、「インテル® Xeon Phi™ コプロセッサーでの ScaLAPACK とクラスター FFT の使用」を参照してください。

インテル® MKL のインテル® MIC アーキテクチャーに対するサポートレベルは、以下のように異なります。

• 最適化

• サポート

詳細は、『インテル® MKL リリースノート』を参照してください。