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インテル® MKL 2017 デベロッパー・ガイド

レイヤーモデルの概念

インテル® MKL は、複数のコンパイラーとインターフェイス、シリアルモードとマルチスレッド・モード、異なるスレッド・ランタイム・ライブラリー実装、さまざまなプロセッサーをサポートするように構成されています。概念的に、インテル® MKL は、異なるインターフェイス、スレッド化モデル、コア計算をサポートする部分に分割できます。

  1. インターフェイス・レイヤー
  2. スレッドレイヤー
  3. 計算レイヤー

レイヤーごとに 1 つのライブラリーをリンクして、ニーズを満たすインテル® MKL ライブラリーを組み合わせることができます。

異なるコンパイラーでスレッド化をサポートするには、適切なスレッド・ランタイム・ライブラリー (RTL) を使用する必要があります。これらのライブラリーはインテル® MKL には含まれていません。コンパイラーによって提供されます。

以下の表は、各レイヤーの詳細を示しています。

レイヤー

説明

インターフェイス・レイヤー

コンパイルされたアプリケーションのコードと、ライブラリーのスレッド化および計算部分を対応させます。このレイヤーは、以下のインターフェイスと手段を提供します。

  • cdecl および CVF デフォルト・インターフェイス。

  • LP64 および ILP64 インターフェイス。

  • 異なる関数値を返すコンパイラーとの互換性。

スレッドレイヤー

このレイヤーは、以下の手段を提供します。

  • スレッド化されたインテル® MKL とサポートされているコンパイラーのリンク。

  • ライブラリーのマルチスレッド・モードまたはシーケンシャル・モードでのリンク。

このレイヤーは、異なる環境 (マルチスレッドまたはシーケンシャル) やコンパイラー (インテル® コンパイラー、PGI* コンパイラー) 向けにコンパイルされます。

計算レイヤー

このレイヤーは、アーキテクチャーの機能を識別することで、実行時に対象のアーキテクチャー向けに適切なバイナリーコードを選択します。

最適化に関する注意事項

インテル® コンパイラーでは、インテル® マイクロプロセッサーに限定されない最適化に関して、他社製マイクロプロセッサー用に同等の最適化を行えないことがあります。これには、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 2、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 3、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 3 補足命令などの最適化が該当します。インテルは、他社製マイクロプロセッサーに関して、いかなる最適化の利用、機能、または効果も保証いたしません。本製品のマイクロプロセッサー依存の最適化は、インテル® マイクロプロセッサーでの使用を前提としています。インテル® マイクロアーキテクチャーに限定されない最適化のなかにも、インテル® マイクロプロセッサー用のものがあります。この注意事項で言及した命令セットの詳細については、該当する製品のユーザー・リファレンス・ガイドを参照してください。

注意事項の改訂 #20110804

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