インテル® MKL 2017 デベロッパー・ガイド
インテル® MKL ILP64 ライブラリーは、64 ビット整数型 (231-1 以上の要素を含む大規模な配列のインデックス処理に必要) を使用します。しかし、LP64 ライブラリーは 32 ビット整数型を使用して配列をインデックス処理します。
LP64 インターフェイスと ILP64 インターフェイスは、インターフェイス・レイヤーに実装されます。LP64 または ILP64 インターフェイスでそれぞれ、以下のインターフェイス・ライブラリーをリンクします。
ILP64 インターフェイスは、以下のために提供されています。
"LP64" はインテル® MKL のバージョン 9.1 以前に提供されていたインターフェイスの新しい名前です。以前のインテル® MKL との互換性を保つ場合は、LP64 インターフェイスを選択してください。アプリケーションやライブラリーで大規模なデータ配列の計算にインテル® MKL を使用する場合は、ILP64 インターフェイスを選択してください。
ILP64 インターフェイスと LP64 インターフェイスでは同じインクルード・ディレクトリーが使用されます。
以下の表は、ILP64 および LP64 インターフェイス用のコンパイル方法を示しています。
Fortran |
|
---|---|
ILP64 用のコンパイル |
ifort /4I8 /I<mkl ディレクトリー>\include ... |
LP64 用のコンパイル |
ifort /I<mkl ディレクトリー>\include ... |
C/C++ |
|
ILP64 用のコンパイル |
icl /DMKL_ILP64 /I<mkl ディレクトリー>\include ... |
LP64 用のコンパイル |
icl /I<mkl ディレクトリー>\include ... |
/4I8 または /DMKL_ILP64 オプションを使用してコンパイルしたアプリケーションと LP64 ライブラリーをリンクすると、予測できない結果や誤出力が発生する場合があります。
ILP64 インターフェイスを使用していない場合、既存コードを変更する必要はありません。
ILP64 へ変更したり、ILP64 用に新しいコードを記述する場合は、インテル® MKL 関数とサブルーチンのパラメーターに適切な型を使用してください。
整数型 |
Fortran |
C/C++ |
---|---|---|
32 ビット整数 |
INTEGER*4 または |
int |
ILP64/LP64 のユニバーサル整数
|
INTEGER |
MKL_INT |
ILP64/LP64 のユニバーサル整数
|
INTEGER*8 または |
MKL_INT64 |
ILP64/LP64 の FFT インターフェイス整数 |
INTEGER |
MKL_LONG |
関数の整数パラメーターの種類を決定するには、適切なインクルード・ファイルを使用します。Fortran インターフェイスのみをサポートする関数には、C/C++ インクルード・ファイル *.h を使用します。
上記の表では、ILP64 で 64 ビットになる整数パラメーターと 32 ビットのままの整数パラメーターを説明しています。この表は、インターフェイスに関係なく整数パラメーターを 64 ビットまたは 32 ビットにする必要がある一部のベクトルマス関数およびベクトル統計関数を除く、ほとんどのインテル® MKL 関数に適用されます。
ベクトルマス: 関数の mode パラメーターは 64 ビットです。
乱数ジェネレーター (RNG):
viRngUniformBits64 を除く離散 RNG はすべて 32 ビットです。
viRngUniformBits64 ジェネレーター関数と vslSkipAheadStream サービス関数は 64 ビットです。
詳細は、『インテル® MKL デベロッパー・リファレンス』を参照してください。
ILP64 インターフェイスの詳細を理解するには、例も参照してください。
すべてのインテル® MKL 関数ドメインは、インテル® MKL 用 FFTW インターフェイスを除いて、ILP64 プログラミングをサポートしています。
FFTW 2.x ラッパーは ILP64 をサポートしていません。
FFTW 3.2 ラッパーは専用の関数セット plan_guru64 によって ILP64 をサポートしています。