インテル® MKL 2017 デベロッパー・ガイド
アプリケーションによっては、インテル® Xeon Phi™ コプロセッサーのネイティブモードで実行することでパフォーマンスが向上します。このモードでは、アプリケーションは、ホストシステムからオフロードされるのではなく、Linux* オペレーティング・システムを実行するコプロセッサーで直接実行されます。インテル® MIC アーキテクチャーのネイティブモードで実行するには、アプリケーションのソースコードを多少変更する必要があります。
ネイティブモードでは、コードはコプロセッサーでのみ実行されるため、ネイティブ実行用に生成されるバイナリーにはコプロセッサーで実行するコードのみが含まれます。インテル® コンパイラーは、ネイティブモードで実行するアプリケーションのビルドをサポートする、特別なコンパイラー・オプションを提供します。
インテル® MKL を呼び出すアプリケーションをビルドし、コプロセッサーでネイティブに実行するには、以下の操作を行います。
ホストシステムで、/Qmic オプションを使用してアプリケーションをコンパイルしてビルドします。
作成した実行ファイルと実行に必要なすべての依存関係をコプロセッサーに転送します。
または Telnet プロトコルを使用して、ステップ 2 で転送したダイナミック・ライブラリーのパスを追加し、LD_LIBRARY_PATH 環境変数の値を設定します。
スレッド・ランタイム・ライブラリーを使用してスレッド数およびスレッド・アフィニティーを設定します。
標準の Linux* システムで実行する場合と同様に、アプリケーションを実行します。
詳細は、インテル® ソフトウェア・ドキュメント・ライブラリー (英語) にある『Intel® Compiler User and Reference Guides』を参照してください。
最適化に関する注意事項 |
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インテル® コンパイラーでは、インテル® マイクロプロセッサーに限定されない最適化に関して、他社製マイクロプロセッサー用に同等の最適化を行えないことがあります。これには、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 2、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 3、インテル® ストリーミング SIMD 拡張命令 3 補足命令などの最適化が該当します。インテルは、他社製マイクロプロセッサーに関して、いかなる最適化の利用、機能、または効果も保証いたしません。本製品のマイクロプロセッサー依存の最適化は、インテル® マイクロプロセッサーでの使用を前提としています。インテル® マイクロアーキテクチャーに限定されない最適化のなかにも、インテル® マイクロプロセッサー用のものがあります。この注意事項で言及した命令セットの詳細については、該当する製品のユーザー・リファレンス・ガイドを参照してください。 注意事項の改訂 #20110804 |