飛び先指定子は,エラー,ファイル終了,または記録終了条件が発生したときに制御を受け取る飛び先文を識別します。飛び先指定子には,以下の形式を取る 3 つの種類があります。
ERR=label
END=label
EOR=label
label
指定された条件が発生したときに制御を受け取る飛び先文の文番号です。
飛び先文は,データ転送文と同じ有効域になくてはなりません。
これらの指定子には以下の規則が適用されます。
エラー指定子は,順番探査の READ または WRITE 文,直接探査の READ 文,索引付き READ 文 (VMS のみ),または REWRITE 文で使用することができます。
エラー条件が発生すると,ファイル位置は不定となり,文の実行は終了します。
IOSTAT が指定されていた場合,IOSTAT 変数は正の整数値として定義されます。(停留 READ 文で) SIZE が指定されていた場合,SIZE 変数は整数値として定義されます。label が指定されていた場合,実行はその文番号の付いた文から続行されます。
ファイル終了指定子は,順番探査の READ 文でしか使用できません。
ファイル終了条件は,順番読み取りの際にファイル中の記録がなくなったとき,または ENDFILE 文によって生成されたファイル終了記録に遭遇したときに発生します。ファイル終了条件は,索引付き (VMS のみ) または直接探査の READ 文では発生しません。
ファイル終了条件が発生すると,ファイル位置はファイル終了記録の後に置かれ,文の実行は終了します。
IOSTAT が指定されていた場合,IOSTAT 変数は負の整数値として定義されます。label が指定されていた場合,実行はその文番号の付いた文から続行されます。
記録終了指定子は,指定子 ADVANCE='NO' (停留入力) を持つ書式付き順番探査 READ 文でしか使用できません。
記録終了条件は,停留 READ 文が記録終了よりも後の位置からデータを転送しようと試みたときに発生します。
記録終了条件が発生すると,ファイル位置は現在の記録の後に置かれ,文の実行は終了します。
IOSTAT が指定されていた場合,IOSTAT 変数は負の整数値として定義されます。ファイル接続に対して PAD='YES' が指定されていた場合,入力項目並びと,対応するデータ編集記述子の条件を満たすために,記録は (必要に応じて) 空白で充填されます。SIZE が指定されていた場合,SIZE 変数は整数値として定義されます。label が指定されていた場合,実行はその文番号の付いた文から続行されます。
いずれかの条件が発生し,制御情報並びに飛び先指定子が含まれておらず,IOSTAT 指定子が含まれていた場合,実行は I/O 文の後の文から続行されます。飛び先指定子も IOSTAT 指定子も含まれていなければ,プログラムは終了します。
関連情報
IOSTAT 指定子については,「I/O 状態指定子」と「IOSTAT 指定子と Fortran 終了コードの使用」を参照してください。
飛び先文については,「飛越し文」と「END,EOR,および ERR 飛び先指定子の使用」を参照してください。
エラー処理については,プログラマーズ・ガイドを参照してください。