ES 形編集記述子は,科学表記の形を使って値を転送します。これは次の形式を取ります。
ESw.d[Ee]
d (小数点以下のけた数) に e (指数内のけた数) を加えた値は,w (欄幅) の値を超えてはなりません。
指定された I/O 並び項目は,実数型であるか,複素数型の実部または虚部でなくてはなりません。
入力処理の規則
入力時に ES 形編集記述子は,外部欄から w 個の文字を転送し,対応する I/O 並び項目にその実数値を代入します。ES 形編集記述子は,F 形編集記述子と同じように入力データを解釈し代入します (「F 形編集」を参照)。
次に,ES 形編集記述子を使った入力の例を示します ('^' は,空白文字を表しています)。
書式 入力 値 ES11.3 ^^5.321E+00 5.32100 ES11.3 -6.000E-03 -.60000 ES12.3 ^^^3.150E-03 .00315 ES12.3 ^^^3.829E+03 3829.0
出力処理の規則
出力時に ES 形編集記述子は,右詰めされ,小数点以下 d けたに丸められた対応する I/O 並び項目の実数値を,w 文字の長さの外部欄に転送します。実数値は,有効数字の絶対値が 1 以上,10 未満である科学表記の形で出力されます (出力値がゼロの場合を除く)。
w は,以下のものを収容できるように,d + 7 以上の値でなくてはなりません。
符号 (値が正で,SP 形編集記述子が有効になっていない場合には省略可能)
小数点の左側に 1 けた
小数点
小数点の右側に d けた
指数
指数は以下のいずれかの形式を取ります。
編集記述子 | 指数の絶対値 | 指数部の正の形式 | 指数部の負の形式 |
---|---|---|---|
ESw.d | |exp| <= 99 | E+nn | E-nn |
99 < |exp| <= 999 | +nnn | -nnn | |
ESw.dEe | |exp| <= 10e - 1 | E+n1n2...ne | E-n1n2...ne |
指数値が大きすぎて,どの形式にも変換できない場合,エラーが発生します。
指数欄幅 (e) は省略可能です。これが省略された場合の値は 2 です。e が指定されている場合,w は d + e + 5 以上でなくてはなりません。
次に,ES 形編集記述子を使った出力の例を示します ('^' は,空白文字を表しています)。
書式 値 出力 ES11.2 473214.356 ^^^4.73E+05 ES11.5 473214.356 4.73214E+05 ES12.3 0.00069 ^^^6.900E-04 ES10.3 -0.5555 -5.555E-01 ES11.2 0.0 ^0.000E+00
関連情報
データ編集記述子の形式については,「データ編集記述子の形式」を参照してください。
数値編集の一般的な規則については,「数値編集の一般的な規則」を参照してください。